Crimson in the Darkness -決意-T-2
「……リー」
赤い影の元に歩み寄りながら、名前を呼んだ。それに答えるように、リーはゆっくりとこちらに顔を向ける。
「…………」
ぼんやりとした表情がまだ意識が朦朧としてる証なのか。それとも、もう戻れなかったのか。そんな不安は過ぎるけど、歩みを止める気は無かった。
瞳は緋色から青に戻っていれば、大丈夫だとリアナは言っていた。その言葉を確かめる為に、リーをちゃんと見なきゃいけない。
近づくにつれ、緋色の髪の中から青色の光を見つける。
「リー、……解かるか?」
手を伸ばして、頭に触れるとリーは顔を上げて、力なく笑う。
「アー……ク……」
ぼんやりと開かれた青色の双眸が力なく閉じられ、身体もそれに相まって崩れ落ちた。寸での所で、両手で支えて、腕に抱え込むことが出来た。