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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-T-1

 昏倒するリーを抱えてリアナと共に来たのは毎日通う教会に来たのは1時間程前。



 ―――『ヴァンパイアとして葬るしか出来なくなる。―――どうしますか?』



 そう問われて、考える間もなく自然と答えが口から出ていた。





『リーがヴァンパイアの血をひこうが何だろうが、死なせない。これ以上無駄な問答をしてコイツを苦しめるなら、オレはお前を赦さない』





 そう言ったら、あの女、いきなり馬鹿笑いしやがった。一頻り笑うと、満足したかのように広場の出口に向かって歩き始める。





『良い答えです。なら、教会に行きましょう。私がリーちゃんを何とかします』





 そう言ったリアナは教会に着くなり、リーと一緒に礼拝堂に閉じこもった。それから2時間、誰も立ち入ることを赦さないと。



 普段なら気にもならない筈なのに、やけに沈黙が耳に痛い。 誰もいないわけじゃない。シエルはオレの隣に、爺さんは礼拝堂の直ぐ傍の部屋で待機してる。何かあったら惨事になることは間違いない、そう言う爺さんの判断からだ。



 でも、きっとそれは無い。



 そう思いはするけど、口にはしなかった。あのリアナ、あいつはきっと嘘を吐かない。『出来ないこと』を『出来る』っていう馬鹿なヤツじゃない。直感的にそう思ったから。



 オレもシエルもどちらとも口を開かず、黙ったまま待ち続けていると、礼拝堂の中から大きな物音が聞こえた。咄嗟に礼拝堂の扉を開けた。





「リー!」





 当初の約束の2時間はまだ経っていない。だけど、何かが起きているのなら、誰かが止めなくてはいけない状況だとしたら、迷うのは危険だ。



 一歩踏み入って、見渡すと礼拝堂の聖母像の傍で小さな影が動いた。ステンドグラスから射す緩やかな月光を浴びて、赤い影がゆっくりと立ち上がった。




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