EP.5 お兄ちゃんは超デカブツ-6
「分かったよ。可愛い妹に意地悪する趣味は無い」
「そんなもの見せ付けてよく言えるね・・・」
「ところでひかり、さっきから気になってたんだが、Bの地区が丸見えだぞ」
「はっ?!」
一体いつから透けていたのだろう。ちゃんとブラジャーはつけたはずなのに。
ひかりは咄嗟に手で胸元を隠したが、そのせいでスケッチブックを落としてしまう。
「悪い、嘘だ」
それを拾い上げて申し訳無さそうに言う典明。
「嘘はいけないって言ったの誰よ!この変態っ!」
「嘘も方便、ともいう。悪い事ばかりじゃないぞ」
「屁理屈を言うな!」
遂に禁断の絵が兄の目に触れてしまった。
大砲もとい肉棒の神々しい姿を見て、わなわなと震えている。
「こ、こっ、これは・・・・なんという立派な、凄まじい存在感じゃないか」
「違うのっ!!すっ好きでやったんじゃないから!!」
「という事は無意識にやったのか。知ってるかひかり、本当にその人にとって大切なものは、意識の底にあるんだ」
「な、なんで近づいてくるのよ、来ないで。そんなもの私に向け・・・いやあああ!!」
典明はスケッチを椅子に置いて、ひかりを抱き締めようとした。
しかし、飛び掛かってくる兄こと変態をステップで躱し、キッチンにあった包丁を握る。
「刺すよ、本気だからね。切り落とすよ!」
だが典明は怯む様子を見せず、それどころか両手を広げながらひかりににじり寄っていく。
「いいぞ。俺を受け入れるかどうかはお前に委ねる。気に入らないなら遠慮なく、抉れ」
「う・・・く、来るなっ、本当に刺すからね?!」
相手に刃物を向けられた状態で、尚も萎む様子が無い典明の肉棒。
寧ろ近づく度に少しずつ膨張していく様に見受けられる。
「俺はこの通り丸腰だ。妹を愛するのに己の体以外はいらない、そう思う」
「こ、来ないでぇ〜。いやああ先っちょからなんか垂れてるぅぅ〜!くっ臭い!」
ついに、あと少しでその肉棒がひかりに当たりそうな距離にまで近付かれてしまった。
ひかりは思わず下を向いてしまい、ビクンビクンと脈動する姿を凝視してしまう。
「捕まえたぞ!」
「嫌っ・・・離して!痛いよお兄ちゃん!」
捕らえられた両手を必死に振り回そうとするが、力ではこの変態に適わない。
「まったく、ひかりはいけない妹だ。お兄ちゃんを狂おしい迄にむらむらさせるんだからな」
「そこまではお願いしてないでしょ?!私が頼みたかったのはモデルになってって」
「知らんぞ。おちんちんを見せて欲しい、となら聞いたが」
典明は嘘をついていない。
言い間違えだろうがそう言ってしまったのは事実である。
「ちょっと、ホントに待って。したいなんて言ってないから。勝手に決めないでよ」
「・・・・・ひ、ひかり・・・そうか、すまん」
さすがの変態も間近で真剣に拒否されて、少し落ち込んでしまった。