EP.2 お兄ちゃんは超テッペキ-6
「・・・やーめた」
「へ?や、やめたってなにを」
典明は邪悪な笑みから一転し、つまらなそうに間延びした声を出す。
「今のお前、蛆蟲を見てるみたいな凄い嫌そうな顔してる。そんなのやっても面白くないからな」
「そ、そんな事言って、後で押し倒すつもりでしょ」
「はっきり言っておこう。今夜は何もしない」
時折ひかりは、典明が筋金入りの阿呆なのか、はたまた間抜けなのか分からなくなる時がある。
考えてみればいつもストーキングの最中の顔は真剣そのものだった、様な気がする。
「お前が風呂に入る為にここで脱いでも、今日は襲わない。誓おう」
「・・・・・・」
ひかりは試しにブラウスのボタンを外した。わざと胸元を外して谷間を見せてみる。
「!!」
咄嗟に典明を見たら、だらしなく垂れた涎を吸い込むところだった。
「待ってくれひかり!本当に今夜は何もしないって!」
「あっち行けこの変態!」
ひかりにとって地獄の夏休みが始まった−
〜〜続く〜〜