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ひかり
【兄妹相姦 官能小説】

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EP.3 お兄ちゃんは超コスヲタ-1

典明という仮初めの名前を持ったケダモノにいつ喰われるか、ひかりは僅かな間も気が抜けない日々を送っていた。
起床前、起床後の着替え、昼間、夕食後の入浴時、就寝前、就寝後・・・
どんな時であろうとあの変態が襲ってきてもいいように、包丁のようなものを手放さずに生活していたのだ。

ところが、臨戦態勢のひかりに対して当の本人は何もしてこなかった。

起きてしっかり朝食を取ってから部活に行き、夕方には帰宅し、入浴を済ませてから床に入る。
毎日ほぼ決まった時刻に行動する規則正しい生活をしており、夜更かししてばかりのひかりとは大違いだった。

「まだ起きてんのか」

ベッドで漫画を読んでいたら突然ドアの向こうから声がし、慌てて包丁を握り締めるひかり。

「俺はもう寝るからな。寝込みを襲うなよ」

ドア越しに注意しただけで、典明はさっさと自分の部屋に戻ってしまう。

(襲うのはキャラ的にそっちの方がしっくりくるくせに、よく言うよ)

まだ警戒はしていたが、最近は何もしてこない日が続いているので、ひかりは最初の頃より徐々に気が緩み始めていた。
あまり口を聞かない様にしていたけれど、2人だけの生活が始まって3日目には挨拶に加えて軽い雑談を交わす程度まで、距離が近付いていたのだ。

完全に心を開いてはいないものの、必要以上に典明を嫌う様な事は無くなっていた。
来るなあっちいけ、から来てもいいけど近付き過ぎるな、程度までは縮まったのだ。

自分の中にあの変態を受け入れる余地があった事を、ひかり自身はまだ信じられない。


(なんで、こんなにうるさいのよ・・・)


妙に胸が熱く、触れた手の平を叩く様に鼓動している。
あの日、不良達に囲まれた時に颯爽と駆け付けた典明を見た時と同じ感覚だった。

(お前は俺が守る、ひかり)

兄が時折言う言葉がひかりの頭の中に谺していた。
どうせ口先だけだと馬鹿にしていたあの兄が、本当に助けに来てくれるなんて・・・

「変なの。ま、まぐれよ、私の日頃の行いがいいから助かっただけ・・・」

自分に言い聞かせ、喉の渇きを癒そうと部屋を出た。

「うぇーいっ?!」

すると、廊下で俯せになったまま鼾をかいている兄、もとい変態を見つけた。
自室に戻ったはずなのになぜここでくたばる様に眠っているのだろう。
しかもひかりに尻を向けた失礼な体勢で・・・

「・・・寝よう」

ひかりは、尻から寝息を出している兄を起こさず、そっとドアを閉めるのだった。




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