EP.1 お兄ちゃんは超シスコン-8
「・・・ちゃん・・・」
今にも泣きそうな典明の耳に、懐かしい言葉が届いた。
「お兄・・・ちゃん・・・」
いくら寂しいとはいえ自分で声色を使って言う程、典明は歪んでいない。多分。
間違いなくひかりが呼んだ。自分の事を、お兄ちゃんと。
ずっと待っていた言葉を言ってくれたのだ。
「ありがとうひかり。俺は、お兄ちゃんはもう十分だ。あとは・・・」
典明は意識を取り戻したばかりのひかりを寝かせて、スカートに手を潜らせた。
手探りで割れ目を探り軽く触れる様にそこをなぞる。
「んっ、はああ・・・やあっ、あっああっ、あ・・・」
こんなに可愛く、そして淫らな姿を見せてくれている。
久々に妹に触れた挙げ句また兄と呼んでくれた事に、ただひたすら典明は感謝していた。
その想いを自らの肉棒に託し、ひかりと繋がるべくショーツを脱がしていく・・・
「っ?!」
急にひかりの目が大きく開き剥き出しになった。
ギョロリと蠢いてケダモノの、典明の顔を見た瞬間、反射的に右手を振り上げていた。
「ぶふぉっ!!」
避ける暇も無く典明は左頬に強烈なナックルを食らわされ、立て膝をついたまま器用に仰け反った。
公式戦無敗の男のダウンを奪ったのは、貞操の危機で発現したあの力である。
「わわ私っ、な、何が、えぇ?なな何でここに変態が」
目の前にあの顔があったので取り敢えず殴ったひかりは、自分の置かれた状況を把握しようと周囲を見回す。
ブラウスのボタンは外されて胸元があらわになって、ショーツは右の足首に引っ掛かっている。
そして、汚らわしいモノを出したまま昇天している、兄こと変態。
(まま、まさか私、ここっこいつに、や、や、やら・・・)
「安心しろひかり。まだ最後まではしてないし、入れてもいない。俺は残念だが」
「もう一回しねっ!!」
妹に大事な事を伝える為に戻った意識は、アッパーで再び奈落へと堕ちていった。