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ホテルノヒカリ
【OL/お姉さん 官能小説】

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ホテルノヒカリ2-2

はぁ…やっちまったぜ…。
私はパジャマのままちゃぶ台の前にペタッと座り込んでいた。
スープを届けたには…届けたが。
フー、フー。
熱いから気をつけて飲んでねぇ♪
私たちラブラブだね♪って出来なかったよぉ。
参ったなぁ〜いいチャンスだったのに。
何故にパジャマのままで行ってしまったのだろ。
私は十分くらい落ち込んでいたが…。
十五分くらいしたら…。
いつの間にか寝っ転がってマンガを読み始めていた。
お煎餅…お煎餅っと。
マンガを読みながら、ちゃぶ台の上のお煎餅に手を伸ばした。
バリバリと食べ始めた頃には…まっいいかぁ。
って気分になっていた。
それにしても…士郎さん。
今日もカッコ良かったなぁ。
ゴロゴロしながらそんな事を考えていたら…。
休みの日に早起きしたせいが…いつの間にか眠ってしまった。

おぉ…士郎さんが微笑んでる。
キラキラしてる。
「森野さん…」
そんな…森野さんなんて…。
美沙って呼んでよ。
「美沙…って呼んで…」
私の目はウルウル。
「…野さん!森野さん!」
ハッ!夢!?
「森野さん!すいません!」
あっ!誰か来てる。
「は…はい!」
私はムクッと起き上がると口元のヨダレの跡を拭きつつ玄関に向かった。
「はい…はい…あっ!」
玄関に向かった私は思わず卒倒しそうになった。
玄関には何と私服姿の士郎さん!
「あ!あ!や…やだ…私ったら…」
私は両手で寝呆けた顔をゴシゴシと擦った。
「すいません…お休みのところ…」
士郎が照れくさそうに笑っている。
「い…いえ…とんでもございません!」
大丈夫か…私。
ホッペに畳の跡とか付いてないよな。
私は色んな事でドキドキだった。
「これ…ご馳走様でした」
士郎さんが微笑みながらポットを差し出した。
「あっ!わざわざ!持って来てもらってすみません!」
私はビシッと起立をして答えた。
昼間からウダウダ寝てる女なんて思われない様にしなきゃ!
「いえ…こちらこそすいません。
その後はお変わりないかも気になったもですから…」
くぅ…生真面目過ぎる態度。
この態度もグッときっちゃうんだよねぇ。
「はっ!お変わりはありません!」
私は眩しさのあまり真っ直ぐに士郎さんを見れないよぉ。
「良かった…僕は明日の夕方からの勤務になるので今日の夜は見廻れませんが…くれぐれもお気をつけて」
「はっ!ありがとうございます!」
「それじゃあ…」
士郎さんが背を向けた。
「あ!あ…あの!」
伝えたいこの気持ち。
「なにか?」
振り返り様の微笑みキラリ。
「あの…す…す…す…」
頑張れ私。
「す?」
「す…スープまた持って行きますね」
駄目だぁ!好きの一言が出ない。
「楽しみにしてます。では…」
士郎さんは軽やかに帰って行った。
「だぁぁぁ…」
思いを伝えられない脱力感に私は玄関先で座り込んでしまった。
でも…楽しみにしてるか…。
前に繋がっただけでもヨシとするか。
「ヨ…ヨシ!」
私は座り込んだまま気合を入れ直した。


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