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ホテルノヒカリ
【OL/お姉さん 官能小説】

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ホテルノヒカリ2-1

次の日は土曜日。
普段だったらお昼近くまで寝てるんだけど。
まだ…七時だってのに目が覚めちゃった。
ハッ!もしかしてコレは恋愛の神様の思し召しかも?
そうなの?そうなのかい?神様!
そうと決まれば…こうしちゃあいられねーぜ。
ありがとう神様!
私は手っ取り早く神様への感謝の祈りを捧げると台所に立った。
どう見てもうちのはキッチンってより台所だよなぁ。
いやさ…そんな事を考えている場合ではないのだ。

スープ♪スープ♪スープ…。
スープを作る準備に取り掛かろうとしたが。
スープってどうやって作ればいいんだ?
クノ○ルのインスタントスープも切れてるし…。
本?本があれば…。
私はバタバタとちゃぶ台を飛び越えて居間に入ると積み上げられた本の山を漁った。
ダメだ…ない。
料理関係の本と言ったら『クッキン○パパ』が数冊あるだけだった。
よくよく考えたらレシピ本なんて買ったためしもなかった。
くぅぅ…このままでは『温かいスープでラブラブ大作戦』が…。
しょうがない!私は財布を手に近くの自動販売機まで走った。

ここで六百円ちょっとはかなり痛いが…。
他ならぬ士郎さんの為だ。
私は熱々の缶スープを五、六本両手に抱えながら台所に戻って来た。
あとはこうして…。
私は熱々のスープをポットに入れ代えるとそのポットを手に交番へと走った。

よかった!今日もいる!士郎さんが立ってる!
「おは…おは…おはようございます!」
ポットを手にした私はズイと士郎さんの前に進み出た。
うわぁぁぁ…緊張するよぉ。
「どうされましたそんな慌て…他の物も何か盗まれているんですか?」
私の顔を見るなりニコやかな士郎さんが一遍して警察官の顔になった。
「い!いや!めっそうもございません!」
私はカァーとなって自分でも何を言ってるのか判らなくなった。
落ち着け!私…落ち着け!
私は必死に自分を落ち着かせながら両手で抱えたスープを差し出した。
「ん…これは?」
「はっ!スープであります!」
やた…やった…。
士郎さんの目が優しくなった。
「これを…持って来てくれたんですか?」
士郎さんがポットを手にしてくれた。
「はっ!」
私は自分を鼓舞する様に答えた。
「パジャマの…まま?」
士郎がちょっとだけ痛そうな笑みを浮かべた。
「へっ!?」
やっちまった!やっちまった…私。
スープに夢中になるあまり着替えるのを忘れてた!
「これは…これは…部屋を片付けないと…いけないから…それでは!」
「あっ!森…」
私は言い訳にならない言い訳をしながら逃げる様にその場を後にした。


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