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悔し涙が身に染みる……。
【レイプ 官能小説】

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悔し涙が身に染みる……。-6

「すごいすごいすごい! 聡の点数は九十三点! ここに来て女子陣大ピンチ! 男の子達の言いなりにされちゃうの? ねぇ、忍には優しくしてねん!」
 画面に映る九十三点の文字。一気に奈落へと転落した気分になる宏美に佐奈。
「ちょ、嘘でしょ? なんかズルしてない? だって、そんな……」
 彼が歌ったのは宏美と同じくゆったりとした邦楽。男の歌い手ということもあって無理な高低もないもの。
「いや、まじで驚いたよ。つか、聡、お前歌上手いんだな……」
 このことは他の面子も知らなかったようで、素で驚いているのがわかる。
「さて、これで食物連鎖の頂点に立ったわけだが、宏美ちゃん、覚悟は出来てる?」
「な……、く、ずるいわ! 無効よ! だって、ズルしたかもしれないじゃない!」
「ズルなんてしてないさ。っていうか、三人してどこいってたの?」
「いや、それは……ぐぅ……」
 彼らにしてみれば三人がこぞって外へ出たのは予想外のこと。たとえこの結果がズルであったとして、その隙を見せたのは女子達のほうだった。
「んじゃあ、あと唄ってないのは?」
 マイクを向けられたのは志保。彼女は顔を引きつらせながらそれを受け取る。
「どうしても唄わなきゃ駄目?」
「唄わなくてもいいけど、零点だよ? いいの? 皆の慰み者になるよ?」
 冗談とは思えない忍の言葉に、志保はそれを受け取る。
 彼女が選曲を行うと、達郎が何かに気付いたように顔を上げる。
「そういえば、志保ちゃんの歌うところ初めて見る?」
「あれ? そうだっけ?」
 マイクのせいでエコーのかかる忍の声。彼女も何事かと考えているようだが、同意したらしく頷く。
「それではこの方初公開、志保さんの歌声をどうぞ〜!」
「ちょっと、止めてよ……」
 あおりと拍手に押される志保。
 曲目は街中でよく耳にする無難なもの。イントロから唄い始めへと繋がり、だれもが「ああ、あれね……」と続く歌声を予想し始める。
 しかし……。
「〜×××♪」
 続くのは残念な歌声。男たちは目を瞑って寝た素振り。女子達は手拍子しながら苦笑い。
 普段冷静かつ面倒見の良い頼れる先輩である志保に意外な弱点があったことを、皆始めて知ることとなった。

「あ〜ん、残念。志保ちゃん六十三点……。慰み者決定ね〜」
 唄い終えたところでマイクを置く志保。忍は残念というよりはむしろ楽しそうだった。
 二次会のカラオケ。常に顔を出す彼女だが、なぜかマイクを握らなかった。その理由は単純に音痴だから。
「続いては奈々子ちゃんね。はい、がんばってね!」
 笑顔で後輩にマイクを渡す忍だが、今後のことは彼女とて予想していなかった現実……。

**――**

 画面に表示された点数は六十一。
 ダントツのビリを獲得した奈々子は何故か満足気だったが、その歌声を聴いていた面々は脂汗をかいている。
 たかが五分に満たない中、ただの歌声がどうしてここまで神経に障るのか? これではまだ志保の歌声のほうが良い。この採点における二点の差があるのか機械に問いただしたくなるレベルだった。
「う〜ん、これはまさしく歌で争いを止められるレベルね……」
 どこまで本気か忍はコメカミに指を当てながらマイクを構える。
 続いて和志がマイクを取り、お口直しとばかりに唄い始める。
「さて、和志君で男子は最後ね。今のところ一位は聡の九十三点か……。男の子が一位だけど、やっぱりさっきの変なゲーム、止めにする?」
 忍の提案に志保はぶんぶんと頷く。だが、それに真っ向から対抗するのが一位の聡。
「おいおい、ここにきて止めましょうなんてそりゃ無いぜ? っていうか、忍も唄わないとな。散々煽っておいて逃げるの無しな?」
「だって〜、言うこときかないといけないんだよ? エッチな命令きくなんていやじゃない?」
「そっちが言い出したんだろ? ちゃんと約束守れってば」
 マイクを置く和志がそう言うと、皆は得点を見定めようと画面を見る。
 短めの曲だったらしいが、画面には八十七、八十八とだんだんとあがっており、宏美の願いもむなしく九十一と表示する。
 一位確定の聡はがんとして譲らず、和志の二位によってそれは堅くなる。
「男の子達、エッチで〜す。しょうがないからうたいま〜す!」
 高らかに宣言すると彼女は機器を弄る。曲目を見ることも無く明らかに番号を知っているという様子で操作しているが、果たして……?


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