調教物語(その11)-1
魚屋の妻の輝子は、
目の前の美しい優子が、研二郎にこれからどうなるのか、
どのように男にいたぶられ、調教をされるのかを思い巡らしたが、
想像もつかなかった。
ごく普通の生活をしている人間達では、知り得ない妖しいことであり、
想像を掻き立てても、それは自分が知る範囲だからである。
メディアを通じて入ってくる情報、いわゆる雑誌や週刊誌のたぐい、
そこにはそれらしきことが書いてある。
それを輝子が読んでも、何故か現実とは結びつかないのである。
乱交や淫らな遊びや、SMに関すること、
それらのことはその本を見ればある程度はわかる。
だが、それを読んだとしても、経験がない輝子には現実感がなかった。
しかし、今、輝子は感じていた。
この妖しい雰囲気の中では何かが起こる、と輝子は肌で、子宮で感じていた。
(これからあの女性は淫らなことをされるのね、それを見せられる私は
後で何かをされるのかもしれない、でももう戻れないわ、
何かを期待している自分がいるから)
裸の優子が喘いでいる姿と、
それをニヤリとした眼で見つめる研二郎の二人を輝子はじっと見ていた。
それだけでこれから展開されるエロチックな行為を思い、
淫らなことを想像せずにはいられない。
優子に自分を重ねながら輝子自身で自分を思い、興奮していた。
それは、鬱積した欲求不満の心の枯渇を満たす為もあり、
二人の中に、その刺激を求めていたからである。
輝子が男に言われて優子の首に付ける首輪を買いに走り、
急いで自治会館に戻って部屋に入ったときから、それは始まっていた。
全裸の優子が付けていた貞操帯という物も始めて見たし、
それに装着されている性具が優子の膣に入っているのも見た。
それらは、前に付き合った男が持っていた雑誌からだったが、
実際に、本当にこの眼で見るとは思わなかった。
それを自分は今、目の前で見ている、その妖しい光景が輝子を刺激し、
彼女の興奮神経を刺激し、膣を濡らすのである。
輝子は淫らで美しい優子を見ながら想像していた、
(あの人がされる破廉恥な行為を、何故か自分もされるのではないかしら)、
という怖れと同時に相反する期待も持っていたからである。
それは無意識の中で彼女の心の中に芽生え始めていた。
今の夫は自分の身体を抱かない。
いつ抱かれて貫かれたのか、それを忘れたほど接しておらず、
夜の営みはご無沙汰していた。
輝子が夫の健に誘いかけても、何故か彼はそれを避けている、
自分より歳が離れた夫は、
前は狂気して局部を舐め回し、太いペニスを彼女の中に挿入し
何度も突き上げて自分をセックスの喜びで満たしてくれた。