腹違いの妹・明美-7
葬式の間中、なぜかしきりに兄さんとの最初のときのことが思い出された。
不謹慎だとは思うが仕方がない。股間が濡れている。もしそうなっても黒だから目立たないが、着物まで染み出すのではと気になり、途中でトイレに立ったほどだ。
「兄さんと何かあるの?」一番下の妹に一度訊かれたことがある。
「何かって何よ?」ととぼけたが、鋭い子だから薄々私たちの仲を感づいているかも知れない。
それでも関係ない。帰りは、いつものように兄さんを私が送っていくのだ。
…父親の告別式は滞りなく終わった。参列者もいなくなり、家族が最後に残った。
僕は叔母に挨拶をして、帰り支度をする。
当然のように、僕は明美の車の助手席に乗った。着物姿だが、明美はそのまま運転するという。
いつも最寄りの駅まで明美が僕を送る。そして、そのまま明美も家に帰ることになっているのだ。
誰もその中には入れない。…ふたりの雰囲気が気になったとしても、まさか男女の仲であることに思い至る人間はいないだろう。僕と明美は、腹違いとはいえ実の兄妹なのだ。
早く抱かれたい一心である。これまで何度か利用したラブホテルに直行し、駐車場に車を停めた。
もう我慢ができない。そのまま兄さんにしがみつく。
やみくもにキスをせがむと、兄もそれに応え、舌を入れ返してきてくれた。
「兄さん!」(私、こんなになっているの…)
着物の裾の奥の方へ兄さんの手を導く。そこはもう愛液でぐしょぐしょになっている。
兄さんの指が濡れた割れ目の中に入ってきた。足が自然に開く。
指が奥深くまで挿し入れられた。
車は駅の表通りを抜けて、駅裏にあるラブホテルに滑り込んだ。
ブレーキロックをかけると、待ちかねたように明美は僕に抱きついてきた。唇を重ね、むさぼるように舌をからめてくる。僕も妹を抱き締めて舌を吸い返した。
妹は着物の裾を自分ではだけ、その中に僕の手を導いた。パンティの上からでもわかった。そこはぐっしょり濡れている。
中に手を差し入れ、秘所を指で探る。
「ふぅっ、ふぅぅ…。兄さん!兄さん!」妹は身をよじりながら喘ぐ。
そのまま車の中でもよかったが、兄さんに促されて車を降りた。
しなだれかかるようにして歩き、兄さんが取ってくれた部屋の中に一緒に入った。
会うのは本当に久しぶりだ。お互いに結婚をしている以上、それは仕方がない。
世の中に心底好きな人がいる。その人は血を分けた兄だが、たまに会いに来て、甘えさせてくれる。
…それだけで私は幸せなのだ。
せっかくホテルに入ったのだ。
妹を促してエレベーターに乗り、確保した部屋に入る。
喪服姿の明美はぞくっとするほど色っぽい。
少し太り気味だが、その分どこにもたるんだところがなく、張りのある体はいつまでも若々しい。
性格もおっとりしたところがあり、まるで気を遣う必要がない。女として理想的なのではないか。
内緒だが、一人息子の雅樹は兄さんとの間にできた子どもである。
誰も知らない。夫や家族はもちろんだが、兄さんにも知らせていない。
隔世遺伝(お祖父さん似)ということになっているが、父親である兄さんに似たのだ。濃い血縁の中で生まれても、幸い、何の障害もなく健常に育っている。
兄さんとのセックスは特別である。
性器が結ばれると、何もわからなくなるほど夢中になってしまう。
よほど相性が合うのか…ことによると、最初のときが半覚半睡の状態で結ばれたせいかも知れない。