『武骨くんと鎖骨ちゃん』-15
ただ、洸太郎の方は、意識して動いていたのではなかった。
快感が強すぎて鋭くなった感覚が、勝手に身体を動かさせるのだ。
李湖の体から、律動のリズムや、指を与えるべき場所が伝わってくるので、それに従っているだけ。
根底にあるのは…ただ李湖を愛する気持ちだけだった。
そして…吸い寄せられるようにして、その武骨だけれど器用な指が、クリ×リスをこねくりまわすと。
「…ぁ、ソコっ…!
も、らめっ、イッ…!
っひ、ひゃああうぅぅんっ…!!」
とりわけ甘い声を絞り出すと、唾液の光るのどをのけ反らして、李湖は達した。
その白い首すじから肩にかけてのラインは、洸太郎には眩しすぎて。
思わずかぶりつくと、更にキツくなるナカに誘われて、洸太郎も長い長い吐精をした。
その絶頂は、二人が自分でも驚くほどの深いもので。
なかなか呼吸が整えられないばかりか、繋がったままぴくりとも動けない。
キスどころか、目を合わすことも手を繋ぐことも億劫。
それなのに、勝手にどこかが痙攣したりする。
李湖のナカが、びくっと震えると、洸太郎のモノがずるん!と押し出されて、
…ぷっ
…くすくす
緊張が解けると、なぜか笑えてくるのだった。
荒い息のまま、笑って、目が合って、甘いキスをして。
こつん、と額を合わせる。
「ね?また、シてくれる?」
「もちろん」
「…すごい、気持ち良かった」
「おれも。
すごい良かった…つーか、李湖がやらしくて可愛かった」
「やだもう!
最初に鎖骨フェチって漏らしたの、そっちじゃん」
「…李湖こそ、おれの指くわえて離さなかったクセに」
「…ふふっ」
「…くくっ」
「…ふあぁ、眠…」
「戻るか…もう、上の部屋も静かだな」
辺りは、すっかり寝静まっているようだった。
身体を引きずるようにして宿の階段を登って行くと、李湖の部屋にいるのがサナだけなのを確認し、二人は別れた。
…―こんなに疲れて、明日、練習できっかな、おれ…
合宿は、まだあと二日、残っている―…。