枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-66
「うお、そこは……あ……おぉう!」
間抜けな声を上げる夏雄。その陰茎はくっとさつきの口腔内で上下する。
「んぬぷ、んちゅぷ……へろ、むちゅぅ……ちゅ……」
唾液と我慢汁の混ざる口腔内。耐え切れずにこぼれるそれは、白い泡をいくつもつくり、白い肌を汚す。
「よし、よし……」
夏雄は彼女の頭を強引に離させたあと、自分で陰茎を扱き始める。
しゅっしゅっしゅ……、くちゅっくちゅっくちゅ……・
いやらしい音を立てながら、その先っぽから淫水を振りまきながら、やがて……。
びゅびゅっ……。
さつきの顔、胸をめがけて白い液体がほとばしる。
それはしばらく続いた後、だらしなくタイルにこぼれる。
「あ……あぁ……」
惚けたままのさつきを他所に、夏雄は彼女のおっぱいを弄りだす。まるで精液をねりこむように。
「んむちゅう……」
そしてさつきもまた、顔の精子を気にせず、彼の陰茎を咥え、まだ残っているだろう精子を吸出し始める。
東の空が青くなり始めた頃だった……。
**――**
ぬるま湯に浸かる夏雄を残し、さつきは一人脱衣所へと向かった。
朝食の準備があることと、布団の後片付けがある。盛大にやらかした痕跡は、見る人が見ればきっとわかる。
急いで身体を拭こうとするが、股間からとろっと流れる水分を見て、昨日のことを思い出してしまう。
しっかり中に出された精子。
胸にこすり付けられた精子。
喉を落ちる精子。
身体の内と外を夏雄の精子に汚された。
いくらシャワーで洗い流そうとも、その記憶は消えそうにない。
だが、その気持ちも薄れているのが不思議だった。
すると、誰かが暖簾を揺らすのが見えた。さつきも気付いて振り向くと、そこには武彦の姿があった。
「きゃっ!」
慌ててバスタオルで体を隠すさつき。武彦も後ろを向く。
「す、すまん」
武彦は慌てて外へ出る。
「もう、エッチ!」
困惑する中、とりあえず場を繋ぐためにそう叫ぶ。いまさら男に裸を見られた程度気にすることもないが、それでも他に言葉が思いつかなかった。
「エッチって、そこ男湯だろ。しょうがないじゃないか……」
「そうだけど、だって、誰も来ないと思ったし」
「誰も来ないって、どういう理由で男湯に入るんだよ?」
「どんなものかなって見てみたくなったのよ。わかるでしょ? 武彦だって女湯を見てみたいとか思わない?」
理由を考えながら、しっかりと服を着る。髪は後回しとして、とりあえずすることは、露天風呂にいた夏雄にジェスチャーでそれを伝えること。服を女湯の露天へと投げ込むと、夏雄は竹の柵を軽々と越えていった。
「まぁ俺だからいいけど、そういうのは今後慎むように」
「はーい」
さつきは元気よく返事をすると、今度は女湯へと行く。
「一緒に入るか?」
冗談交じりにそう言うと、彼女は笑いながら、
「髪を乾かすだけです〜」
これ以上精液臭くなるのは勘弁と、さつきは風呂場を後にした。
**――**
今日の予定は観光地めぐりに変更。だが、さつきは不参加。単純にバーベキューの準備があるのだ。本当は皆で行う予定だが、数時間ばかりの観光ではドライブにしかならないので提案した。
当然武彦は反対した。さらに、克也の不参加もあり、その様子は誰の眼にも尋常ではなかった。
――ばっかみたい。
夏雄の思惑通り、武彦が克也を敵対視しているのをみると、さつきの中で彼がひどく小さくなっていく。
これ以上失望する余地もないと思っていたさつきは、彼の様子に気付かないふりをして調理場へと急いだ。