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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉
【レイプ 官能小説】

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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-67

**――**

 西の空が赤くなり始めた頃、メインイベントと成り代わったバーベキューが
始まる。
 司会の智之の言葉に、皆缶ビールを掲げて乾杯。
 炭の割れる音、肉汁の焦がす音、早くも二缶目を開ける音。それに混じる笑い声に、こびた声。
 予定の崩れまくった合宿だが、この絵を見る限り、一応の成功といえるのだろう。
 武彦は紀一、智之にさつきと一緒にビールを交わす。
「ふぅ、一時はどうなるかと思ったけど、なんとか成功だな」
「ああ、そうだな。水漏れやらなんやでかなりわりをくったけどな。でも、さつきちゃん、観光いけなくてよかったの?」
「うん、平気」
「なんなら、明日、武彦と一緒に回ってきてもいいよ?」
 紀一の突然の提案に、武彦はビールを噴出しそうになる。
「でも、オリエンテーリングあるし……」
 それはさつきにも驚きの提案だったらしく、目を丸くしていた。
「うん、まぁ、そうだけど、俺と智之でなんとかなるしな」
 紀一は智之と頷きあう。彼らなりに気を遣ってのことなのだろう。だが、今のさつきにしてみれば、余計なお世話このうえない。今更武彦と二人きりになったとして、何をどうしろというか?
「っていうか、俺今日はずっとコイツの助手席に座ってたけど、なんかずっと機嫌悪いのよ」
「な、別にいいだろ! そんなこと……」
 しっかりと観察されていたことに気恥ずかしくなる武彦は、智之の背中をばしばしと叩き、彼もビールがこぼれまいと、それを庇う。
「もう、武彦ったら……」
「まぁ、そういうわけだから……」
「おーい、智之、炭は? なんか火が弱いぞ?」
「え?」
 見ると、向こうで夏雄が火バサミで炭を掲げている。
「え? 足りないの?」
 さつきが急いで向かうので、三人もそれに続く。用意していた段取りのうちの最後の一つが、動き始める。
 事前に炭火の数を半分にして配置させ、火力が弱くなるようにしていた。
「まずいなぁ、これじゃあ火が通るころにはおなかがすいてるよ」
「どうしよう、私のせいだ……」
 残りの炭は車の中においてある。荷物の管理を任されたさつきだからこそ出来ることだ。
「とりあえず、炭集めて、火力の強いところでやるか?」
 夏雄の提案に智之はグリルを集めだす。半生の野菜や肉を見ても、火力の足りなさが明らかであった。
「ん〜、なんとかしないとなぁ……、どうする、買ってくる?」
「近くにあるの?」
「ホームセンターぐらいはあったと思う」
「じゃあ……」
「でもこれがなぁ……」
 紀一はビールを振る。全員にしっかりとアルコールを勧めるのも忘れていない。
「しゃあない、ちょっくら……」
「ダメだよ。もし警察とかいたら……」
「でも、どうしよ……」
「どうかしたのか?」
「あ、船岡先輩、実は炭を買いに行こうと思うんですけど、皆これで……」
 智之が申し訳なさそうにビールを掲げると、克也はやれやれといった様子で手をだす。失策の一つに、克也がビールを飲もうとしなかったことがある。おそらくは彼の中のトラウマなのだろう。無理に勧めても受け取ることはなかった。
「鍵。俺が行ってくるよ」
「ええ、いいんですか? それなら私も……」
 ならばとさつきが提案する。おそらく短絡的な武彦は……。


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