登下校を、御一緒に。-11
ところが、全身で快感を感じていたあたしは、もう1つの佐伯くんの変化に気付いてしまった。
おへその横に当たる堅いモノ…。
佐伯くん…!
頬が、更に紅潮する。
そして、すぐに"ソレ"と分かってしまった自分にも、赤面する。
あたしで、こんなになってる…?
こんなに…大きく、堅くして…佐伯くん…
あ…呼吸も、あたしと同じくらい荒い。
胸がドキドキする。
その存在に気付いてしまったあたしは、うかつには動けなくなってしまった。
ところが、今日って日は、やっぱりそんなに生優しいモンじゃないみたいだ。
電車の速度が落ち、人波が崩れる。
ドアが開き、だいぶ人が降りて空間が空いた所で、あたしはホッと一息ついて、少しだけ身を離そうとした。
その瞬間に、また、
どんっ!
慌てて降りて行く若いサラリーマンに突き飛ばされ、さっきよりも深く、佐伯くんの胸の中に入ってしまった。
そして、
ぎゅむぅ…
この駅は、人の総入替か、と思うような人波によって、更に密着度は高まる。
ドアが閉まり、ガタリ、と車両が動き始めた時だった。
「…はぁん!」
「…くっ!」
信じられない場所に、快感が与えられることになっていた。