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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -出遭-W-6

『下級の魔祓い術……使えるのか……どう言うことだ?』





 ゆっくりと、オレたちの方へと歩み寄りながら、ヴァンパイアは不思議そうにオレを見つめている。そして、唇で弧を描くと、フッと姿をかき消した。





「チッ!」





 空間を裂いてリーの真後ろに現れたヴァンパイアに左手の銃を突きつける。



 リーの首へと伸びていたヴァンパイアの手が触れるか触れないかのトコロでピタリと止まった。その気になれば切り裂くことも出来るだろうけど。



 オレからリーへと視線を落として、ヴァンパイアは冷笑を浮かべながら口を開いた。







『クククク。そう怯えるな。直ぐには殺さん。ところで、何故コイツは聖職者の力が使える。闇の眷属に堕ちた者には使えない筈だ』





「……何だ、と?」





 “堕ちた”? オレが……? 銃を構える手が小さく揺れた。



 リーは顔を上げると大きく頭(かぶり)を振って、声を張り上げる。





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