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JoiN
【コメディ 恋愛小説】

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JoiN〜EP.1〜-3

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「は〜い栞菜ちゃん、いいよその表情。ちょっと首を傾けてみて、うんいい!」


今日も写真撮影からか。
同じ様なポーズを何枚も撮るから、見ているこっちはあまり代わり映えがしなくて退屈だ。
別に黙って座っててもいいんだが、それじゃ相手の印象がよろしくない。
カメラマンや機材を扱う裏方、タレントの衣装を選んだり化粧をする人と話しておいた方がいいらしい。

これは上司に教わった、つうか叩き込まれた事だ。
俺たち現場のマネージャーをまとめる役職のため、普段は現場に出向かない。
だがホントに駆け出しの頃は毎日現場について回り、俺の言動にいちいち目くじらを立てて叱ってきた。

最初はぶっちゃけイヤな感じだったが、もう慣れたから別にいいんだ。

「はぁ〜疲れたぁ、ずっと笑顔でいるの疲れるぅ・・・」

栞菜が椅子に腰を下ろし、うちわで顔を扇いでいた。
おっと待った、それは俺の役目だ。お前に無駄な体力は使わせはしないぞ。

「ん〜涼しい〜、ありがとうマネージャーさん」
「なあにこのくらい。栞菜のありがとうが聞けるのなら安いものさ」

撮影用の白いワンピースに身を包んだ姿は、さっきの制服とは違った雰囲気を醸し出している。
栞菜はまだ高校生で、今年に入ったばかりの頃にデビューした新人アイドルだ。
本名は同じく栞菜(かんな)といい、花の名前からつけられたらしい。
名字は、確か聞いた覚えがあるがよく覚えていない。
初めて会った時は事務所の中で、母親と一緒に来ていた。

胸元まである黒い艶々の髪、健康的な浅黒い肌、
くりっとした猫の様な大きな瞳、口角が下がり気味の厚い唇。
最初に見た印象は、緊張のせいもあるだろうが表情が硬く怒ってる様に見えた。

(こ、この子・・・・・・)

失礼だろうが、向かい合って座りながらじっと顔を見てしまったのだ。
だって・・・可愛かったんだもん、すっごく。

そしたら栞菜と目が合ってしまい、頭の中が真っ白になってしまった。
何か言おうとしたが、思考が停止した様に何の言葉も浮かばない。

あの感覚は今まで味わった事が、あるかもしれないし、無いかもしれない。
いや多分ある。きっと久々だったんで対応出来なかったんだろう・・・

(・・・・・・?!)

すると、栞菜が笑った。
まるで緊張していない様な自然な笑顔だった。

こうして、俺は栞菜にハートを奪われたんだ。


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