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JoiN
【コメディ 恋愛小説】

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JoiN〜EP.1〜-4

「まだ撮影あるし、頑張らなきゃ。ねえマネージャーさん、私表情硬くない?」
「硬いな、硬い硬い。だからもっと笑ってごらん。とびきりの笑顔を見せておくれ」

そういうと栞菜は更に口角を上げて笑った。
だが、ひくひくと唇が引きつっているのがわかる。余計に硬くなってるぞ。

「不自然だな。目もとが笑ってない。いつもはもう少し自然じゃないか」
「うそー、ちゃんと笑ってない?これでも本気だけど」
「よし、なら今から楽しい事を思い浮かべるんだ。そしたらちゃんと笑えるぞ」
「急に言われても出来ないよ、簡単に言わないで」

栞菜に限らず、撮影で笑顔になるというのは結構難しいらしい。
前に何人かアイドルを担当してたが、自然に笑える子は殆どいなかった。

「じゃあほら、俺とデートしてるところを妄想してみろ。どうだ、口が自然と綻ぶだろう」
「最悪。余計に難しくなっちゃった、うわぁホント最悪、変なこと言わないでよ!」

何を言ってるんだ、そんなに喜んでいるくせに。
きっと今頃お前の頭の中では俺は栞菜の部屋にいて、まったりとラブストーリーなDVDを観ているにちがいない。
以前自分はインドア派だと言ってたからな、お部屋デートも悪くはない。

(見て直行、すごく幸せそうに手を繋いでるよ)
(なあに、俺達の方がラブラブさ。さあ栞菜、遠慮せずもっと近くに)
(きゃっ!もう、だめ。まだお昼だよ)
(愛を育むのに時間は関係ナッシング!栞菜!!愛してるぞぉぉぉ!!)


「痛っ!!」

やけに栞菜の唇が硬いと思ったら、壁にキスしていた。
栞菜は何処だ、と思ったらもうカメラの前に立っている。休憩は終わってたのか。

「いいね栞菜ちゃん、その笑顔いただき!元気いっぱいだね」

カメラマンの言う通り、さっきまで付き纏っていたぎこちなさが消えていた。
時折見せる手で顔に触れたり、足を上げたりする何気ない仕草も自然だった。

もしかして俺のアドバイスが効いたのか?
さすが俺、やる時はやる男だ。的確なアドバイスでアイドルの魅力を引き出すとは。
やはり、俺にはマネージャーの才能がある様だな。俺が担当したタレントないしアイドルはキラキラと輝いてしまうのだ。


「おつかれさまでしたーっ♪」

裏方一人一人に丁寧に挨拶をし、現場を後にした。
今日の栞菜の仕事はこれで終わり。だが、俺の仕事はまだ終わらない。
取り敢えず栞菜を自宅まで送り届けてから事務所に戻り、山積みになった雑務を処理しなくてはならんのだ。

名残惜しいが、今日は後少しで栞菜とお別れになってしまう。
なるべくゆっくり行きたいが、時間は待たない。哀しいけれど限りがある。


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