たとえばこんな恋の話-4
はあ…はあ…ハア…
二人の上がった息だけが部屋に響く。
「はあ…加絵、お前飲んじゃったの?」
加絵は口元を手の甲でぬぐうと得意そうに口角を上げた。
こんのエロガキ
「ねえ、気持ちかった?」
「ああ、最高に気持ちかった」
素直に感想を告げると、加絵は頬を染めて嬉しそうにヤッタ!と小さくガッツポーズした。
ドキン
崇は自分の感情にとまどいながらも、もうどーとでもなれと思った。
「でもまだ足りない」
「え…?」
俺の脚の間に座ったまま加絵がこちらを見上げる。
「加絵ん中いれたい」
我ながら超直球。麻耶という彼女がいながら何言ってんだって自分でも思う。でも、たまらなくこの子が愛しかった。
「加絵ん中いれたい加絵ん中いれたい加絵ん中いれたい加絵ん中いれたい」
加絵の綺麗な白い肌がみるみるピンクに染まる。
「加絵んなか――」
「聞こえてるわよッ!!」怒鳴られた。
「あたし、ユウレイだよ?」
「ああ」
「ユウレイと…したいの?」
「加絵としてぇんだよ」
一瞬口をつぐんで、「…崇先輩って、変態?」
「幽霊のくせに生きてる人間の精子飲んじゃう奴に言われたかないよ」
そっと、加絵の長い髪を撫でた。絹のように柔らかい。
「………確かに♪」加絵がククっと笑った。
ドキン
「イイよ、崇先輩。しよ?」
ギシッ
よく軋むおんぼろベッドに加絵を寝かせる。セーラー服姿の加絵。こんな汚いベッドは加絵には似合わないとふと思った。
耳の横に肘をつき、バラ色の唇にゆっくりキスをした。
「加絵。震えてんの?」
「うるさい。電気消せ」キっと睨まれた。
「幽霊のくせに全然怖くねえっつーの(笑)可愛いだけだ」
ちゅっと音を立ててキスをして、電気を消しに行った。
戻ってきてまたキス。キス。キス……