調教物語(その6)-1
空港から離れた高台の場所で、
優子の車の中に、研二郎と優子の二人は居た。
研二郎に抱かれながら、痺れる感覚のなかで、
優子は、色々なことを思っていた。
これまで自分が生きてきたこと、過ごした時間の数々。
女学生だった、あの頃の友と語った楽しい思い出。
自分の美貌に嫉妬し、嫌がらせを受けたこともあり、
悔しくて泣いた日もあった。
そう言う中でも、心から許せる友人が居た。
決して綺麗でも美しくも、可愛くもない友人だった、
しかし、人は顔や形でなく、心だと教えてくれた友人、
本当に嬉しかった。
(合いたい)、
共に学びながら、教師を目指し努力した友人と私、
今はどうしているかな?
念願が叶い、親の薦めとはいえ教師になった自分。
後悔はしていない。
その教師にあるまじき行為を自分はしている。
本当にそれで良いのだろうか?
あの友人に今の自分をどう説明出来るのか。
(今ではもう、遅い・・)
崇高な精神で教師に向かい邁進していた自分。
堕ちるのなら、とことん堕ちていく、
肉欲の淫獣と化してしまった自分、でも悔いはない、
そこから這い上がるのも人生。
自分を慕う無垢な少女の処女性を奪ってしまった自分。
その原点は、あの忌まわしい幼い頃のあの出来事だった。
その出来事が何故か強烈に蘇ってきた。
昨日、教壇に立ちながら思いだした少女の頃のこと、
今は男に服従する道を選んだ自分は、
それを避けてはいけない。
過去の自分と向き合わなければならない。
それは、流れて消えていった自分の過去と、
これから、
目くるめく変化していく自分の姿を暗示しているようである。
封印しようとしていた過去をはっきり思いだし、
自覚しなければならない。
それを克服してこそ、研二郎様の(愛奴)として生きていける。
自分の幼い頃の、忘れたい恥ずかしい悲しい思い出、
忌まわしい思い出の中で自慰を覚えた私・・
忘れたい記憶・・
自分の手の中で、男が射精したときのだらしなく、にやけた顔、
決して思い出したくないあの男の顔。
あの男は、人が来ない路地裏に優子を巧みに連れて来て、
彼女の前で自分のパンツを膝まで下げ、優子を見つめる。
「お嬢ちゃん、おじさんのこれを握ってごらん」
男の目が、それを拒むことは出来なかった。
突き出したペニスは、赤黒くグロテスクだった。
男の目は異常に興奮していたが、
怖ろしいほどの恐怖ではなかった。
何かを訴えているような、悲しいような顔だった、
しかし、優子は逃げなかった、
正確に言うと逃げられなかった、というべきか。
その男の目が、優子の心に訴え、何かをしなければ・・
(このおじさんは、壊れる)そう感じたのかもしれない。
男の手に誘導され、ペニスを握ったとき、それは固かった。
そこに浮き出た血管が、
妖しい生き物のように幼い優子は感じた。
やがて優子は、手の中に太く固く、温かい男のモノを感じ、
握らされた手の中で蠢き、それは悦びに震えているようだった。