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〈価値観〉
【鬼畜 官能小説】

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〈価値観〉-3

修二(猫被りやがって!!あのクソ女が!!)


自分には決して見せない笑顔に対し、修二は心の中で罵声を浴びせた。それは嫉妬とは違う。

修二の中で、正子への想いはどんどん強くなっており、その〈純度〉は増していくばかり……誰にも負けない位に美しく、優しい女性……勝手に正子の人格を作り上げ、自分の理想像として崇めるまでになっていた。
熱烈なファンが、アイドルやアーティストを神格化するように、修二は正子に対して同じような想いを抱いていた。


[何人たりとも汚してはならない存在]


本気で、修二はそう思うようになっていた。

孝太郎と富代が仲良くすればするほど、初恋の人の、孝太郎への純粋な思いが侮辱されているような気がした。
孝太郎が正子を棄て、富代を選んだと思った。
そしてあの笑顔は、正子に対して勝ち誇っているように見えた。

箍(たが)の外れかけた心が壊れるのに、さほど時間は掛からなかった……。



数日後、修二の家に小包が届けられた。
それは、未成年が手に入れて良い〈物〉ではなかった。
無視・罵り・差別……受け続けた心の傷みは、遂に奇形に変わり、自らを客観的に見る事を忘れさせた。
そして、そんな修二を監視する人も、何時も傍にいる訳でもなかった。
両親は早くに離婚し、引き取った母親も出張で殆ど家にはいない。帰宅すれば部屋に篭り、ネットで顔も知らぬ友人と、卑猥な話を夜中まで交わす。
その顔も知らぬ“友人”から、格安で手に入れた道具を眺め、一人ニヤけた。

[欲しかった物、届きました。明日にでも使おうかな?上手く使えたら、一緒に遊びませんか?]


数名の友人に送信し、そのまま眠りについた………。


「コータ、なんでアレにいつも言わせるの?」


いつものように、体育館裏のコンクリートブロックに腰掛け、孝太郎と富代はいちゃついていた。
生温い風が二人の間を吹き抜け、富代の髪をフワリと揺らした。


『アレって……修二の事かよ?酷いなあ』

「あんな気色悪い奴、近付いても欲しくないし。席が近いのもヤなんだけど」


富代は、座っている孝太郎の太股に座り、首に腕を絡めて、しな垂れかかった。


『そんなに言うなよ、あいつ使いやすいしな』


富代は不機嫌そうに頬を膨らませ、ぷいと顔を背けて見せた。
怒った仕草すら、可愛らしく振る舞ってみせる富代に、孝太郎は優しくキスをした。


『そんなに嫌なら、これからは別の奴を使うよ。どうしても誰もいない時は……我慢してくれ』


富代は思わず噴き出し、それを見た孝太郎も笑った。
と、昼休み終了のチャイムが鳴り響き、二人は急いで教室へと走った。


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