第5話-4
俺に合図を送るかの様に舌先を指で二回突いた。そういう事か、分かった・・・
生唾を飲み込み、同じく舌を突き出して早貴のそこに触れる。
すると舌が俺のをくすぐってきて、まるで筆で字を書いてるみたいに細かく動く。
「・・・・・・えへ。こんなキスも、たまにはいいでしょ」
娘は唇が触れ合うだけのキスではなく、舌でやる方を選んだ。
もう一度舌先と舌先が触れ合い、互いに滲み出る唾液が混ざり、垂れ落ちて・・・
「ん・・・お父さんの唾液・・・あったかぁい」
「早貴ぃ・・・」
やがて、先端だけではもどかしくなったのか早貴が舌の腹で撫でてきた。
目を閉じずに逸らそうともせず、じっと俺を見つめている。
普通にキスするよりも生々しく感じてしまう。
唇と鼻先が触れ合いそうなぎりぎりの距離で唾液を擦り合わせて、熱い鼻息が互いの相手の顔を撫で付けた。
呼吸は深く、熱を帯びて早くも額から汗が滲み出していた。
「んっ?!さ、早貴、何してるんだ!」
「うわぁ・・・キスだけでこんなになっちゃったんだね、お父さん」
いきなり握ってきたが口での愛撫は止まらず、俺の舌を唇で咀嚼している。
早貴は感触を確かめるかの様に強弱をつけながら何度か握り、親指で鈴口を擦る。
「見える?これ。嫌がってるけどおちんちんはいつも嘘つかないよね」
「や・・・めろ・・・」
わざわざ親指を離し、糸を作って見せ付けてきた。
次は何をするのかと思っていたら、早貴は急にタオルを取り出しそこにボディソープを垂らす。
「いつもお仕事お疲れ様。沢山汗かいて帰ってくるから、今日は私が綺麗にしてあげるね」
懐かしい言葉だ。
まだ一緒に風呂に入っていた頃、体を洗う前に必ず言ってたのを思い出した。
いやらしい雰囲気を出してる時に突然娘らしい事を言うので、どぎまぎしてしまう。
まさか、いきなりそこから・・・と思ったが、後ろに座り背中を擦り始めた。
「さ、早貴・・・?」
「変な事期待してたでしょ。お父さんのエッチ」
あ、当たり前じゃないか。自分からキスしてきたくせに。
「お父さんちゃんと洗ってる?ぽろぽろ垢出てくるよ」
「背中はあまり丁寧に洗ってないな。やりにくいし」
「そういう問題じゃない!きったないな〜もう」
特にそれらしい合図も無く¨娘¨に戻った。
さっきまで¨女¨みたいに求めてきたのに、あまり俺を困惑させるなよ。
久々に感じる、タオルで肌を擦られる感覚。
最後に感じたより少し痛く感じる気がするのは、早貴も成長して力がついたからか、ただの気のせいか。
「じゃあ、今度は前の方を洗ってあげるね」
むにゅっ、と背中に柔らかい感触。おいおい、ちょっと待て。
「こうしないと届かないの。我慢しててね」
「が、我慢ってお前な」
どんな顔をしているんだろう。
俺の角度から見えるのは手だけだからな。
笑ってはいなかったが、おそらく薄ら笑いでも浮かべているに違いない。