若芽の滴-18
朝の通勤時間。
今日も駅のホームは人波で、ごった返していた。
『居たか?』
『クソ〜、通勤電車変えられたか?』
何も知らない痴漢達は、今日も汐里の姿を捜して電車に乗り込む。あらゆる時間帯に乗っても、汐里は何処にも居なかった。
『……親に喋って、通学に車使ってるとか?』
『有り得るな……』
汐里程の美少女は、なかなか遭遇出来るものでもない……痴漢達は落胆の色を隠せなかった。
『駄目だ、見つからない。諦めるか…』
『あの時に、拉致ってレイプしとけばよかったな……』
電車に消えていく痴漢達。
新たな獲物を求め、目を光らせながら……。
数日後、桑名汐里の失踪が報道された……。
《終》