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若芽の滴
【鬼畜 官能小説】

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若芽の滴-10

『アイツ、ヤッちまわないか?』

『あ?あんなガキ、どうすんだよ?』

『じゃあオメエはヤルなよ!俺達だけで楽しむからよ』

『まず、どんな顔かチェックするか?』

『な〜に、ブスならヤリ捨てりゃイイだろ』


自分達が、これから行おうとしてる行為が、完全な犯罪だという事に気付かないのだろうか……?
けたたましい音を発てながら、ミニバンは汐里の横を通り抜けた。


『ふ〜ん、意外と可愛いかな……』

『あれ?アイツ、桑名汐里じゃね?』


一人が気付き、車内に散乱している雑誌を漁り、泥の足跡の着いた雑誌を広げた。


『見ろ!間違いないだろ!!コイツだよ!!』

『……似てるだけだろ』

『ま、ま、可愛いからイイじゃねえか』

『早く拉致ろうぜ!!』


車をUターンさせ、CDを止め、緩いカーブの中に車を止めた。
その周辺の住宅は、高い塀や生け垣に囲まれており、家の中からは道路は見えない。
平日の昼間に車の通行も殆ど無く、人影は汐里だけだ。


(もう誰にも会いたくない……タクシーで帰ろ……)


交通量の多い道路まで行けば、そこでタクシーを拾えるはず。
早く家に帰りたい一心で、汐里は駆け出した。



『急に走ったな』

『早くヤッて欲しいんじゃねえか?』


熱い視線を浴びせる男達に気付かず、汐里はミニバンのすぐ傍まで駆けて来た。


『あれ?汐里ちゃんじゃない?』


突然名前を呼ばれ、汐里は反射的に振り向き、そのまま足を止めた。
そこには、優しそうな笑みを浮かべた未成年が、食い入るように汐里を見詰めて、ミニバンの傍に立っていた。


『みんな、やっぱり汐里ちゃんだったよ』


スライドドアが開き、中からゾロゾロと未成年達が降りてきた。
その光景に少したじろいだが、皆の優しげな笑顔に騙され、汐里は少し強張った笑顔を作り、その場に立ったままだった。


『いつも見てるよ〜。あのCMよかったな』

『そろそろドラマで主役やるとか?』

『トレカも出して欲しいな〜』


口々に賛辞の言葉を並べ立て、汐里の周りを取り囲み、立ち位置を変えながら、遂に汐里の背中を、開けられたままのドア開口部に向けさせる事に成功させた。


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