『満月の夜の分かれ道』-7
「…いい?」
千代がこくりと頷く。
知秀は千代の右足を持ち上げ、とろとろになっているそこに再び大きくなったものを押し当てた。
「いくよ」
「ああっ…」
くちゅりと音がして先端が千代の中に侵入し始める。
千代はしっかりと目を開けてその光景を見ていた。
「千代…」
切なそうな表情を浮かべた知秀の顔が近付いて来て唇が重なった瞬間に、それが一気に千代の体に打ち込まれた。
「んんんんんーっ!!!」
知秀のものは今まで経験した誰のものよりも大きくて熱かった。
千代は知秀の首に手を回し、腰を押し付ける。
溢れ出た愛液が千代の足をつうっと流れた。
「んうっ!んんんっ!!」
知秀が激しく腰を動かし始め、先程とは比べ物にならないほどの快感と幸福感が千代の体を襲った。
息苦しくなって来ても知秀はキスを止めなかった。口腔内と膣内を同時に激しく攻められ、千代は訳が分からなくなるくらいに乱れた。
「んっ!んんうっ!!んんんんーっ!!!」
絶頂はすぐに訪れた。びくびくと全身を痙攣させた後ぐったりとなった千代を知秀は慌てて抱きかかえた。
「気持ちいい…知秀…」
「もっとよくしてあげる。後ろ向いて」
そう囁くと知秀は千代の体を反転させ、鉄柱に手をつかせると、後ろから千代を貫いた。
「ああああああーっ!!!」
千代は顔を上げ、激しく喘いだ。がっしりと千代の腰を掴み、何かに憑かれたかのように知秀は千代の中を攻め立てる。
「もう…だめえっ!またいっちゃう!!いくうっ!!」
ぎゅうっと千代のあそこが絞まり、知秀は動きを止めた。しかしそこが弛緩すると再び激しく腰を動かし始める。
それが数回繰り返された後、知秀は千代の焦茶色のふわふわとした長い髪を片側に流し、耳を露にするとそこに息を吹き掛けた。
「ひゃあっ!!」
千代が今までとは違う声を上げる。
「耳…弱かったよね?」
「やっ!耳だめっ!だめえっ!」
千代は首を振って知秀の攻撃から逃れようとするが、それは無駄な抵抗だった。ぬるり、と知秀の舌が千代の耳の穴に差し込まれた。それはぺろぺろと耳朶を舐め上げ、唇が全体を優しく吸い上げる。
「ふああっ!!ほんと…におかしくなっちゃう!!も…だめ…いく…いくうっ!!」
「千代俺も…」
「うん…ああああああっ!!いっちゃう!!」
「ううっ!」
千代が達した瞬間に知秀のものが一番奥で弾けた。びくびくと何度かそれは痙攣し、その度に千代の中が熱い液体で満たされていった。
乱れた息が整うまで二人はそのままの姿勢でしばらく余韻に浸っていた。