第3.5話-1
「お父さん大変!!遅刻しちゃうよ!!」
早貴に体を揺さ振られながらぼんやりと重い瞼を開く。
「まだ目覚まし鳴ってないぞ・・・」
「とっくに鳴り終わってる!もうすぐ8時!」
8時、か。8時って何時だ?
いつもは7時過ぎくらいに起きるよな。という事は、つまり
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「やっと起きたね、急いで着替えて」
早貴は耳を押さえながらワイシャツを手渡してくれた。
ぐっすり寝ちまったぞ、遅刻だ。大遅刻だ!!
いつも乗る便より何本も遅れてバスに乗り込む。
「・・・変だな、出ないぞ」
役所に電話しているが一向に出る気配が無い。まさか、みんな揃って寝坊してるのか?
そういえば乗客は家族連ればっかりだ。これはもしや・・・
「やっぱり!」
役所の前まで来てようやく今日は祝日だと思い出した。
そういや早貴は休みなのに部活があるとか言ってたな。それで勘違いしたんだ。
(まったく、うっかりさんだな。俺の娘は)
すぐに帰りのバスに乗り込み、中で揺られながら昨日の出来事を思い出す。
もうずっとご無沙汰だったなぁ、あっちの方は。
まさか久々のエッチが早貴と・・・なんて、想像も出来なかったな。
早貴が帰ってくるのが楽しみだ。帰ってきたらまた・・・・・・
「さ、早貴?!」
家の前に居たので思わず声をあげてしまった。部活に行ったんじゃ無かったのか?
「お帰りなさい」
「お前、部活はどうした?」
「・・・勘違いしてた。明日だったみたい」
おいおい、俺だけじゃなく自分の予定も勘違いか。
お前はどこまでうっかりさんなんだよ。
「お父さんも間違えて起こしちゃったね、ごめん」
「・・・いいんだ、誰だって間違う時はあるんだ」
早貴をしっかりと抱きしめ、耳元で囁く。
「昨日は疲れてぐっすりだったからな♪」
「・・・ばか」
・・・今日は祝日だ。
これからもっと疲れる事をしよう。お父さんと一緒に
〜まだ、続く〜