第3話-1
「お父さぁん・・・」
肌の毛穴までくっきり見える程早貴が密着している。
シャンプーの匂いに混じって、年頃の女の子特有の芳しい香りが鼻の奥をくすぐった。
娘が何をしようとしているのか理解できず、ただ呆然と立ち尽くす事しか出来ない。
「ずっと待ってたんだよ。お父さんがこうして・・・私としてくれるの」
「す、するって?おい早貴、やめろ。何をするつもりだ」
早貴が俺を浴室に連れ込もうとしてくるので、慌ててその手を解く。
だが、なぜかうまく力が入らず抵抗にならなかった。
されるがまま連れ込まれ、ネクタイを外され、ワイシャツまで脱がされようとしている。
どうしてこんな慣れた手つきなのかと思ったら、前はなかなか風呂に入らない俺を脱がしてた事があったのを思い出す。
しかしそれは中学生までの話だ。最近は一緒に風呂なんて入ってなかったぞ。
「やめないか!」
少し声を荒げた。
普段は早貴に対してこんなきつめには言ったりしないので、心が痛む。
「嫌じゃないくせに。お父さんのエッチ」
父親が怒っているのに、娘は悪戯っぽく笑いながらズボンを脱がしていく。
だめだ、聞く耳を持たない。俺が何を言っても聞き流しているみたいだ。
「・・・うわッ」
ついにズボンまで脱がされ、早貴と同じ生まれたままの姿になってしまった。
情けない事に俺の愚息は大量の血液を吸い込み、臍まで反り返る程に膨張している。
もっと情けない事だが、
帰ってきた時に早貴の自慰を見てから反応しっ放しだ。
「触ってもいい・・・?きゃ!うわぁカッチカチ」
俺の返事など待ちもせず、早貴の爪がカリに僅かに食い込む。
何も抵抗出来ず娘にされるがままの父親・・・
早貴、知らなかったぞ。お前が男の性器にそんな興味津々だったとは。
以前、興味本位で父親と娘が体の関係を持つ小説を目にしたのを思い出す。
確か泣き叫ぶ娘を無理矢理父親が快楽のまま何度も犯す、という内容だったと思う。
・・・やっぱり現実と空想の世界は違うんだな。
こんなに性に対して積極的だったとは。何だか複雑だ。
「お父さん・・・お口でしてもいい?」
「く、口でって・・・どういう意味か知ってるのか?」
早貴はにこっ、と無邪気に笑いかけてきた。
いつも学校に行く前に見せる笑顔だ。その心が安らぐ笑顔が、今は恐ろしい。
戸惑う俺を見上げ、楽しそうに笑いながら愚息に唇を近付けていく。
興奮した鼻息が裏側を撫でてくすぐったく、同時に気持ち良かった。