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(髪が・・・・短くなってる!!何これ!?これじゃあまるで男の子みたい・・)

はっとして鏡を覗き込む

大体いつもの夏希の顔なのだが喉仏が目立ち,鼻が少々高くなっている

「聞いてるの!?あんたのズボン汚れてたからクリーニングして学ランと一緒にテーブルの上に置いといたからね!!」

(ズボン・・・?学ラン??・・・・まさかっ!!)

嫌な予感がして夏希は慌ててトイレに駆け込み,バジャマのズボンを下ろした


「ぎやああああああああああっ!!!!!!」



脚の間にけっして女の子にはない,物があったのだ
(なんでこうなってるんだろう・・・一体何がどうなってるの??)

戸惑いながらもいつも歩いていた通学路を進んでいく

今分かってる事は,夏希が自殺する前と同じ様に日付が一日進み,家族も家も自分の名前も歳も変わっていないこと

ただひとつ
夏希が男だということ以外は,ということなのだ


こうしてもやもや考えていると,あっという間に校門が見えてきてますます不安を感じる
(はぁぁ・・・・・・・)          すると,小走りで夏希に近づいて来る見知らぬ男子生徒の存在に気付いた

「遅いぞ夏希!!お前朝練サボる気かよ〜」

(え!?朝練??あたしは帰宅部だったはずだけど・・)

「いや・・ごっごめん・・・」

「ははっ!!相変わらず冷めてるな〜いくらお前が一番上手くても朝練はちゃんと出た方が良いと思うぞ・・なんたってお前は我が北高サッカー部期待のエースストライカーなんだからな!!」

(えええっ!!!嘘でしょう!?あたし運動オンチで体育2取ってたんだよ???)

「後輩の一年も三年の先輩達もみんなお前のプレーが見たいんだよ,早く部室で着替えて出て来いよな!んじゃ先行ってるぞ!!」

「えっ!!ちょっと待ってよ・・・・」

(ということは・・・男のあたしはサッカー部に入ってて期待の星みたいな存在なの??ありえない・・絶対ありえないっ!!)

信じ難い事実に頭を悩ますが,本当に朝練をサボる勇気は無く,とりあえずサッカー部の部室に向かう

(ここ・・・だよね??)

ボロボロの部室を想像していたが,扉を開けると意外にもきちんと整頓されているし,ロッカーはまだ新しい

(そういえばうちのサッカー部って全国大会行くぐらい強かったけ・・何度か試合見たけどかなりレベルの高い試合してたな・・)                  幼い頃からサッカーが大好きな父親に連れられて毎週の様にスタジアムに応援に行っていた影響で,夏希もいつの間にかサッカーが好きになっていった                    それは自殺する際にも試合結果が気になるほどだが,夏希は大の運動が苦手で,颯爽と緑の人工芝を駆け抜けるサッカー選手に憧れていたものだった                     しかし話題がサッカーのみ,そして人見知りという事もあって,オシャレや恋に夢中になっている女の子とは到底話が合うはずもなく,ましてや男子に話し掛ける度胸なかったから随分と孤独な人生を送って来たのだが・・・                       ,


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