教師の情事(2)-1
正之の衝撃的な「筆おろし」から1ヶ月が過ぎた。正之は学校では副担任の教師・佐和子とは普通に接してはいるものの、
頭の中は佐和子の事で一杯だった。英語の授業で佐和子が黒板に英文を書く姿や
教室を歩く姿を見ただけでも、夏の暑い日に
佐和子を騎乗位やバックで犯した姿を思い出してしまうのだった。
とはいえ、正之の学校での生活は「筆おろし」を境に一変した。
あまりやる気ではなかった部活もやる気を出すようになった。サッカー部に入部していた
正之は2年生との模擬試合では果敢にボールを取りに向かうようになり、
相手のシュートを体でクリアする事も多くなった。
「野村、最近どうした?元気があるじゃないか。」
声をかけてきたのはサッカー部顧問で正之のクラスの正担任だった畑中直樹だった。
畑中は後に卒業まで正之のいるクラスの担任を務める事になる。
ちなみに畑中の受け持つ教科は社会科だった。
「ええ、学校での生活が楽しいと部活にも身が入るんですよ。」
「そうか。でも無茶は禁物だぞ。次のD高との練習試合ではディフェンダーとして
出てもらうがいいか?」
「あ、はい!」
「いい返事だ。しっかり頑張ってくれよ。」
正之がサッカー部で頑張りだしたもう一つの理由があった。陸上部に佐和子が顧問として
就任したからである。サッカー部と陸上部は運動場を共に使っているので仲が良く、
片方の試合にはもう片方が応援に行くという不文律があった。
8月で前の陸上部の担任が結婚退職をしてしまったので高校時代に陸上部にいた佐和子が
顧問に就任する事になったのだ。
「ほーら、もっと足を上げて走る!」
声を出して部員を指導する佐和子を正之はボールを追っかけながら見つめる。
一方佐和子もそんな正之をどこかしら追っかけていた。
そんな正之を陸上部員であるクラスメートの岡崎順子が視線を送っていた。
空が暗くなってきて練習も終わり部室で部員が着替えているとチームメイトの先輩から
佐和子の話題が話されていた。
「何だ、篠原が陸上部かよ。」
「またあまり色気のない先公が来たよな。眼鏡をかけてるし。」
「野村はどうなんだ?」
不意に聞かれた正之は少し動揺しながらも落ち着いて返答した。
「別に・・・いいんじゃないんですか。」
「お前そう思うか?もう少し色気のある先公が来てほしいよな。」
正之はその返答を聞きながら「それは違う!」と心の中で叫んでいた。
あの夏、佐和子と夜を共にし、佐和子に肉棒を咥えられ、精を佐和子の口に吐き出させ
そして佐和子のスレンダーな肉体を犯したあの情景を思い出しながら・・・。
制服に着替えて部室を出て自転車置き場まで向かうと
校門に順子が自転車を持ちながらたたずんていた。
「あ、野村。ちょっと・・・一緒に帰っていいかな?」
「別に・・・いいけど。」
正之と順子は家は同じ方向だった。正之と順子は自転車を漕ぎながら
クラスメートの話やら部活の話をした。
「野村は夏休みから部活に一生懸命だけど何かあったの?」
「まぁいろいろあってね。この学校が好きになったんだ。」
「何があったの?」
「まぁ・・・それなりにね。」
「まさか恋人が出来たとか?」
「馬鹿言うなよ。俺がモテるわけないじゃん。」
「そうかな・・・。私はそうは思わないけど。」
順子は正之と佐和子の肉体関係を知る由もなかった。