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教師の情事
【教師 官能小説】

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教師の情事(1)-1

M県立W高校は緑に囲まれて周りは畑だらけだが、学校に向かう道には既に桜に花が咲き始めた。
学校は既に春休みに入り、生徒はいないものの職員室では早朝から夜遅くまで卒業式の準備で
教師達は慌しかった。学年主任の野村正之は38歳になったばかりだった。
正之は教務担任でありながら生徒にはよく接するので生徒からは人気と信頼があった。
他の教師が帰宅する中、正之は一人でパソコンで書類を作成する仕事をしていたところに
校長の畑中直樹が職員室に入ってきた。
「お、野村、じゃなかった野村先生は遅くまで仕事ですか。」
正之は手を止めると畑中に声をかけた。
「よしてくださいよ、校長。私の心の中では校長は永遠に私の恩師です。」
正之はW高校卒業で畑中は3年の頃の担任だった。
「いやあ、いかんなあと思いつつどうしても呼び捨てしてしまう。」
「いいんですよ。」
「しかし野村も最初はW高校はあまり好きじゃなかったのに今じゃここの高校の学年主任だからな。」
「知っていたんですか・・・。」
「副担任だった篠原先生から聞いたよ。」
「そうですか・・・。」
「あの交通事故で亡くならなければ今頃はここの教頭だったのかも知れんのになあ。
たしか野村とも仲良かったじゃないか。篠崎先生がいなかったら
お前はたとえ学校を辞めなくても楽しい高校生活を送れなかっただろう。
ここの学校の教師にもなっていなかっただろうな。」
「いや・・・校長のおかげでもありますよ。」
「ハハハ。そう謙遜するな。篠原先生の存在が一番の理由だっただろうに。
そろそろ篠原先生の命日だな。墓参りには行くのか?」
「ええ。今度行きますよ。」
(あれからもう20年経つのか・・・。)
正之はそう言いながら思い出していた。
そう、始まりは正之が高校1年の頃からだった。今から23年前に
当時流行っていたトレンディドラマなど比べ物にならないようなあの出来事を。

正之はW高校に入学した。しかし正之にとってW高校入学は不本意だった。
なぜなら正之は家から近いS高校に入学したかったからだ。W高校は家から自転車で30分はかかる距離にあったからである。
だから高校受験ではW高校は眼中にすらなかった。しかし入学した、というより入学させられた。
なぜなら正之の住んでいるM県は日本でも1,2を争う管理教育が徹底した県だったからである。
高校はかなり緩和されたが小中学校では厳しい管理教育が徹底されていた。
その管理教育は単に不良少年だけでなく、おとなしい生徒にも「見せしめ」として向けられた。
正之もその「見せしめ」にされた生徒の一人だった。
彼は中学時代には教師から体罰を毎日のように受けていた。中学3年の頃の担任は女性教師だったが
この教師は正之を特に目の仇にしており、ちょっとした事でも体罰を加えていた。
進路相談でも正之がS高校へ行きたいと言うと彼女は一ランク下のW高校の方が
確実に合格すると言った。S高校は正之の学力でも普通に合格できるレベルだった。
明らかに嫌がらせ以外の何物でもなかった。これに正之が抗議をすると
彼女は突然暴れだし、ビンタに蹴りまで入れるなどして正之に体罰を加えた。
そして正之の家に電話して両親にW高校に行くように薦めた。正之の父親は警察官僚だったが
この教師の言いなりになってしまい、正之にW高校に行くように命じた。
正之は女性教師の行動とそれに言いなりなる親が許せなかったが、未成年だった正之には
何も出来なかった。以後正之は女性教師を信用しないと誓ったのだ。


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