イジメテアゲル！-28
「まってね、少し準備があるから……」
多香子はねっとりとした唾液を亀頭に垂らす。少し冷たい刺激に英助は低く呻く。
続いて彼女の指先が陰茎全体に唾液を塗りたくり、サオの根元から亀頭までいきわたったところで手を止める。
「それじゃするよ……がんばってね」
ピピっという場違いな機械音を合図に多香子は大きく口を開け彼を飲み込み始める。
「あっ……！」
亀頭に柔らかい粘膜が触れる。罅割れ一つないしっとりとした唇に撫でられると、鈴口からジワリと我慢汁が滲みだす。
「ふあぅ……んっ、あはぁ……どう？ きもちいい？」
尖ったものが我慢汁を掬い、そのまま亀頭表面を撫でる。たまにザラリとした部分が擦れ、快感に酔いしれる思考に刺激を与える。
「んくぅ、はぁ……っ、はぁ……、多香子、あんまりされると……」
痛みと快感が交互に訪れ、英助は後頭部をマットにこすりつけながら多香子の舌技に翻弄される。
「だめだよ、まだ出しちゃ……、もう少しがんばらないとオシオキだよ」
オシオキという言葉に例の惨劇を思い出す。昂ぶる射精感を抑えるため、英助は股関節部分を強く意識し、唇をきゅっと噛む。
「あはは、そんなに怖がらなくたっていいのに。取って食べるだけだしぃ……」
じゅるるうぅ……とわざとらしい音を立ててサオに吸い付き、雁首をなぞる。股関節が弛緩し始め、意識せずに尿道が脈打つ。
自分の身体でありながら、既に多香子に支配されてしまっているような錯覚に陥る。
「……やべ、多香子、もう……、んぐ……はぁ、出ちまう……」
「うふふ、もう終り？ 進藤ったらだらしないよ？」
経験の差は明白で、意地を張ろうにもその一つ一つが赤く蠢く舌に舐め溶かされていく。
「あ、あ、わぁ……、んっ、ん、んぅ……ぬはぁ……っく！ はぁ……」
身体の芯を抜かれるような感覚に我慢の糸が切れる。次の瞬間、陰茎全体がびくりと跳ね、尿道を白い液が走る。
「きゃっ……あ、ん、んぅ……はむ、んごく……ちゅ、ちゅぱむ……んんぅ……」
多香子は鈴口から溢れる精を唇で受け止め、射精を促すようにサオを擦る。
「ちゅぅー……っぱぁ……ふぬぅ……」
大体射精が納まったところで多香子は唇を離し、ティッシュの上に唾液と混ざった精を吐き出す。
「二分三七秒」
彼女はにんまり笑顔で彼に謎の数字を言い渡すと、サオに垂れた分を舌で舐め上げる。
「もう少しがんばりましょうってとこかな？ んちゅぅー……っ！」
彼女は最後の仕上げとばかりに強く亀頭を吸いつける。
「あ、やめ、やめてくれよ……、なんか、いいんだけど、力がはいらな……い……っ！」
英助は言葉通り弱々しい手で彼女を押し返そうとすも、容赦なくはねのけられてしまう。
唇越しに歯を立て、柔らかくなった亀頭をムニムニと弄る。しばらく弄ばれたあと、ちゅぽんと音が立ててようやく開放される。
「三分もたなかったお仕置きだよ」
多香子はストップウォッチを彼の眼前に掲げ、得意げに言い放つ。
「……悪趣味だぞ。そういうの……」
「でも、初めてにしてはがんばったほうじゃない？ 元彼なんか早いと一分持たなかったし」
複雑な情報に喜んでよいのか迷ってしまう。
「それじゃさ、次は本番ね……」
多香子は濃紺のスカートに手をかけると、するすると脱ぎ始める。
現れたのは日焼けの跡が残るムッチリとした太腿と、挑発的なワインレッドのショーツ。腰の辺りに紐の結び目があり、多香子はそれをゆっくりと解く。
「そういうのって校則違反じゃないの？」
刺激的な光景に英助は直視できず、それでも負けたくないという気持ちで言い返す。
「勝負パンツって奴？ 英助は嫌い？ 可愛いとおもうんだけどな」
「似合ってるよ。多香子に」
大人びた、というより身体だけはすっかり一人前の彼女には、渋みのある赤も似合う。彼女は彼の前に立ち、片方の戒めを見せ付ける。