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葉月の夜に
【ファンタジー 官能小説】

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葉月の夜に 第二章「定められた運命」-2

昼休みになり昼食を済ませ、私はトイレの中にいた。まだパンツ濡れてるよ…。
便座に座り下ろした下着を見つめ、今日何度目かのため息をつく。
にしても痴漢に会っちゃうなんてね…。あんな風に男の人に触られたの初めてだなぁ…。
と今朝の体験を振り返っていると、また下半身が疼き始めた。
私ったら…何考えて…。
指で自分自身にそっと触れてみると湿潤な感触が伝わってきた。
ゃだ…濡れてきてる…。
指をそのままぎこちなく動かし刺激を与える。
「んッ…」
駄目…学校でこんなことしちゃ…。
夢か現実か分からないが、詩織によってあの夜に快楽を知ってしまった私は、ここ最近自分自身を慰めることを覚えていた。
「あッ…んん…はぁッ…ふァ…気持ちいい…」どうしよう…指ぃ…止まんないよぉ…。
空いてるもう片方の手はブラウスの中に入りブラを押し退け、すでに固くなった乳首を刺激していた。
「あんッ…あんッ…はぁ…あッだ…め…きちゃう…あぁぁん!!」
「ハァ…ハァ…」
学校のトイレでしちゃった…。あっ!誰かに聞かれてないかな…?
恐る恐るドアを開けると、幸運にも人がいる気配はなかった。逃げるようにトイレから出て、興奮冷めぬまま午後の授業が始まった。


授業が終わり学校を出ると、いつものように詩織が校門に立っていた。
「今日もお疲れ様でした、お嬢様」
車に乗り、帰宅する。家に着いたらまたあの儀式が待っている。そう思うと沈んでいた気分がさらに沈む気がした。
「ねぇ詩織…」
「何ですかお嬢様?」
「明日からはしばらく朝も送って欲しいんだけど…」
「はい、かしこまりましたお嬢様」
不本意だったが、今朝の出来事で痴漢に目を付けられた可能性がある。ある程度の期間は電車の利用は控えた方が良さそうだ。
「でもお嬢様が送りまで頼むなんて何かあったのですか?」
「べっ別に…。ただ最近儀式も続いて毎日歩くのに少し疲れただけ」
「そう…なのですか。」
詩織はあまり納得のいった顔はしてなかったが、それ以上は追求してこなかった。



家に着き、私はいつものようにあの鉄で覆われた薄暗い部屋へと足を運ぶ。
朝起きて、学校に行き、屋敷に戻ると儀式を行う。そんな繰り返しの毎日だった。確かに魔力の断片のようなものを感じた時もあったが、特に私の体に大きな変化は起こらなかった。しかし、とうとう大きな変化がやってくる。



儀式を行うあの部屋には一枚の小さな鏡が飾られている。それは「運命の鏡」と呼ばれ、普段はただの鏡だが、時が来ると魔族の子供の中に眠る魔力を引き出すための「鍵」となる人物を映し出す。つまり「鍵」とは夫となる人物のことを指す。魔族には夫を選ぶ権利はない。全て「運命の鏡」によって定められる。



そしてある日の夜、儀式が終わると突然鏡が青白く光りだした。最初はぼんやりとしていたが、だんだんとはっきりと人の輪郭が映し出された。
「うそ…………」



鏡の中に映ったその顔は悠志だった。


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