投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

寒い夜の拾い物…
【OL/お姉さん 官能小説】

寒い夜の拾い物…の最初へ 寒い夜の拾い物… 19 寒い夜の拾い物… 21 寒い夜の拾い物…の最後へ

寒い夜の拾い物…最終章-1

(やっぱり最近の美樹さん、変だよなぁ、前は俺と会っている間、ずっと明るかったのに…、最近、何となくだけど元気が無いような…それに俺がそろそろ帰ろうかって言ってもなかなかベッドから起きようとしないし…)
 健司は仕事の帰り、電車の中でそう考えていた。
(俺と離れるのが辛いからだったりして…、何てね、…でももしかして俺との関係を終わりにしたいのに言い出せないって事は…いや、まさかな)
 そんな事を考えていると降りる駅に着き、健司は慌てて電車から飛び降りた。
 今日は美樹と会う日なので駅を出ると家には向かわず、待ち合わせの喫茶店に向かって歩き出した。
(美樹さんとの関係ももう三年以上か…飽きるどころか会うたびに美樹さんの事、好きになってるなぁ、俺…、今まで一人の女の人と二年以上続いた事無いのになぁ、…美樹さんはどう思ってるのかなぁ)
 約束の喫茶店までは十分程だったが、美樹の事を思いながら歩いていると、すぐに目的地に着いてしまった。
(美樹さん、もう来てるかな…)
 健司が喫茶店に入ろうとすると、突然、後ろから
「健司くぅん、健司君たらぁ」
と言いながら美樹が走って来た。
「ハァハァ、…もう、健司君ってさっきから呼んでるのにぃ」
と息を切らせながら言ったが、健司が
「あっ、美樹さん?ごめん、考え事しながら歩いてたから…」
と言うと美樹は
「うふふ、エッチな事考えてたんでしょ」
と言葉とは逆に、相変わらず天使のように微笑んだ。
(美樹さんも俺と同じ気持ちかな、…それより美樹さん、本当に見た目と言ってる事にギャップがあるよなぁ、いつも…)
 そう思ったが口には出さずに健司も笑った。
「当たり、今日はどんな事しようかなって…」
「もう、エッチね、じゃ行こうか」と裏通りを一緒に歩き、ホテルに向かった。



「…あん、いやぁ、健司君、イクっ、イッちゃう、イッちゃうよぉ…」
「クッ、美樹さん、そんなに締めつけたら…、おっ、俺もイクよっ」
 ほぼ同時に絶頂を迎えると、二人は強く抱きしめ合い余韻に浸っていた。


「美樹さん、そろそろ時間だよ、シャワー浴びに行こうよ…」
 健司がそう言って起き上がろうとすると美樹はギュッと抱きついたまま
「もうちょっと、もうちょっとでいいから私を抱きしめていて…」
と健司を離さなかった。
「…美樹さん、何かあった?最近少し元気無いっていうか…」
 そこまで言うと美樹はガバッと起き上がり、無理に作り笑いをして
「…もう、冗談よ、何よ健司君、私はいつも元気だよ、じゃあシャワー浴びに行こっ、ほらぁ」
と健司を引っ張ってバスルームに向かった。
 シャワーを浴び、服を着ていると美樹は後ろを向いたままポツリポツリと話し始めた。
「…最近ね、上手くいってないんだぁ、土日も私に黙ってどこか行っちゃうし…、どこ行ってたのって聞いても祐美は俺がいない方が楽しいだろとか言うし…、喧嘩すると祐美は泣くし…、義母さんにも何で仲良く出来ないのって言われるし、…何かもう嫌になってきちゃった…」
「………」
 健司は何て言っていいか分からず、ただ黙って美樹の話しを聞くしかなかった。
「…ごめん、こんな事、健司君に言っても仕方が無いのに…、私ちょっとおかしいね、ごめんね健司君」
 そう言って振り向くと美樹の目から涙がポロリと流れた。
 健司は思わず美樹を抱きしめ
「俺の方こそごめん、俺、美樹さんの事が心配で、美樹さんにはいつも幸せでいてほしいから…、もしかしたら俺との関係を終わりにしたいのかもって勘ぐっちゃって…ごめん」
と言うと美樹はギュッと抱きしめ返し
「馬鹿ね、健司君の事嫌いになる訳無いでしょ、この前だって健司君と結婚すれば良かったって言ったでしょ、…でもありがとう、私は幸せだよ、健司君とこうやって会えるから、ねっ」
 そう言って涙を拭くと、いつものような天使のような笑顔で健司に笑いかけた。
「それに健司君と祐美がいるから今の生活も平気なの、だから本当にありがとう、…じゃあ帰ろうか、行こう、健司君」
 軽くキスをして二人はホテルを後にした。


寒い夜の拾い物…の最初へ 寒い夜の拾い物… 19 寒い夜の拾い物… 21 寒い夜の拾い物…の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前