ひなのの一週間:水曜日は涼子先輩の過激な訪問-1
ひなのは男女共学の私立高校の2年生。
中学時代から、新体操のホープとして県大会にも出場したことがある、172cmの長身だ。
フランス人の祖母の血が流れている日本人離れした美少女だ。
中学時代の新体操部のキャプテンだった涼子先輩から、久しぶりにメールが入った。
週末に、ひなのの家を訪ねたいとのことだ。
涼子は、大学に入っても新体操を続けている。
涼子は、ひなのが中学1年生の時に新体操部に入った時のキャプテンだ。
恐ろしいほどの鋭い眼光をした、伊東美咲に似た清楚な美少女だった。
ひなのは、おののきと尊敬の気持ちで、涼子の言葉に従った。
催眠術にかかったように、涼子の指示には逆らえなかった。
両親は週末から、実家に旅行に出かけていた。
来週半ばまで、自宅には、ひなの一人しかいない。
玄関のチャイムが鳴った。
ひなのは、待ちわびたようにドアを開けた。
駅から走ってきたのか、汗ばんだ涼子が笑いながら入ってきた。
大学に入ってもまだ、処女のような清らかな雰囲気が漂っている。
涼子の後ろには、一人の青年が肩越しにひなのを見つめていた。
「誰?」
ひなのは涼子に聞くと、
「大学のコーチなの、今、駅で別れたんだけど」
「え? 一緒だったの?」
「そう、彼もいい?」
「いいですけど」
青年は、気まずそうに、お辞儀をしながら涼子の後ろに付いて入ってきた。
ロシア人のように鼻の高い顔立ちと、スポーツコーチらしい精悍な肉体をしていた。
長身で、肩幅が広く、胸の厚みが人並みではなく厚かった。
涼子の好きそうな青年らしかったが、ひなのの好みでもあった。
男の体臭が、ひなのの性感を刺激した。
ひなのは、汗ばんだ涼子に、
「涼子さんは、駅から走ってきたんですか?」
「そう、真人を振り切ろうと思ってね」
汗ばみながら、涼子は話した。
「合宿だったんでしょ?」
「そう、真人コーチと二人きりのね」
「えー?二人だけで?」
「強化、特訓かな」
首をかしげて、怪しげな微笑をひなのに投げかけた。
真人は、きまり悪そうに下を向いたまま、微笑んでいた。
ひなのは、二人の様子から状況を理解して
「ベッドの上で、特訓したんでしょ!」
「うふっ、ばれてるね、、」
涼子は、悪びれもせず肩をすくめて、真人に微笑みかけた。
ひなのは、涼子が赤ワインを好きなことを知っていた。
よく冷えたワインを冷蔵庫から出して、二つのグラスに注ぎ二人に勧めた。
涼子は、待ちわびたように、冷えたワインを一気に飲み干した。
「涼子さん、シャワーに入れば?」
ワインをグラスに注ぎながら、涼子は、
「えー、そうするわ」
涼子は、ワインを注いだグラスを持ちながらシャワールームに入っていった。
涼子の歌声がシャワールームから聞こえてきた。
居間に残されたひなのは、真人と二人だけになった。
「コーチは、涼子の彼氏ですか?」
「涼子は、もてるから、彼氏の内の一人かな」
「そーなんですか」
「ひなのさんですね、真人と呼んでください」
真人は、ひなのの眼を見つめながら、そういった。
ひなのは、真人の人なつっこい眼が気に入った。