「prelude」-3
「夏木〜っ!」
「…うそ。なに。」
町田先生がグランドの遠くから私のことを呼んでいる。
ありえない。
てか、私の名前、覚えてたんだ…
まずそれにびっくりだし。
ボ〜っとしてたらあっという間にこっちまで走ってきた。
「な、なんですか…」
思わず声が上ずる…
「や、さっき授業中ボーっとしてただろ?疲れてるんじゃないか?受験勉強もほ
どほどにしろよ?」
「すいません…」
「…はは!そんなしょぼくれんなよ。なんかあったらいつでも相談しろよ。俺、
まだクラス持ってないしさ。気軽に。」
うわうわ…
やばい。
笑顔が眩しすぎる…
なんか胸がいっぱいで声が出なくって、私は頷くことしかできなかった…
「紗羽紗羽!」
「…なによ。」
「ここ、なんだっけ!俺当たりそうなんだよね。」
なんとなんと、コージと私は塾まで一緒なのだ。
私が通い出したら2日後にはコージがいた。
うちのママがコージママに喋ったんだ。