スペシャル☆プリン-3
[ お母さん…悪いの? ]
[ 違うよ、看護士なんだ
今日は当直で出てる。 ]
さっきも言ったけど、このマスオ予備軍。
私の感覚からするとずいぶん頼りない男に思えるけど、決して嫌いではない。
普段から何かにつけ、チョッカイかけては面白がっているけれど、私はこの時ついイタズラ心をもよおしてしまったのだ。
リョウの家までついて行ってやろう…
[ ねえ、あんたン家見たいな…ダメ? ]
[ えっ?
別に…いいけど… ]
[ いいけど? ]
[ 何だか不思議だな
チー姉ちゃんが来るなんて… ]
私たちはコンビニを後にして、見慣れた自転車を引くリョウ。
相変わらず屈託ない。
こんな私でもひとりならちょっと不安な夜道もリョウがいるだけで少しはマシに感じる。
これでも一応は男なんだから…
[ リョウのお母さんはナースなんだ。 ]
[ うん、中学の時に職場復帰したんだ。 ]
[ ふうん…
帰れる職場があるって素敵ね。
リョウもそんな大人にならなきゃ… ]
今さら説教もあったもんじゃないけど、だんだんそうやって…
私もこうして、オバサンくさくなっていくんだろうか?
リョウの家は新しくはないけど、立派な戸立ちだった。
築15年前後ってところだろう…