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「運命」
【母子相姦 官能小説】

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「運命」-3

何が運命なのかなんて俺には分からない。
母にだってはっきりと判ってはいないだろう。
ただ運命を感じる、という時はたしかにあるものなのだ。
「あのさ、母さん」
「なぁに?」
ある夜自分の寝室に戻ろうとした母親を俺は呼びとめた。
「まだあの話覚えてる?」
「‥まだそんな事言ってるの?」
「もし母さんが運命を信じるなら‥」
「‥‥‥」
「賭けをしない?」
「賭け?」
「うん。賭け。俺と母さんがそうなるならその賭けの結果も必ずそうなる」
「‥‥‥どうやって?」
「何でもいいよ。‥たとえば天気でもいい」
「天気?」
「あぁ、明日からしばらく予報では晴れだろう?」
「そうね。一週間は晴れの予報だったから」
「なら決めようよ。明日少しでも雨が降ったら‥俺と母さんはそうなる」
「…そんなのだめよ。天気雨があるから」
「なら雷雨」
「うふっ‥それなら私の勝ちじゃない。予報では雨雲なんてまったくないのに」
「運命ならきっと降るよ」
「絶対雨は降らないわよ。雨雲がないもの」
「なら‥賭ける?」
「いいわよ」

翌朝は晴れ渡った快晴だった。
「賭けは覚えてる?」
台所から母がいたずらっぽく微笑みかけてきた。
「まだまだだよ。今日は始まったばかりだから」
9時。
10時。
11時。
12時。
一向に雨が降り出す気配はなかった。
俺は母親を諦める理由が欲しかったのかもしれない。
あるいは本気で母親を求める事に恐怖を覚えたのかもしれない。
だからあんな無理な賭けをしたのだろうか?
俺は当時やっていたコンビニのバイトをしながら窓越しに晴れ渡る空を眺めていた。
今頃母も余裕で空を見上げているんだろうな。
夕方帰宅した俺は先に風呂の掃除をしてから、夕飯の支度を始めた。
母が離婚してからそれは俺の役割のようになっていたからだ。
やがて7時過ぎに帰宅した母は俺の顔を見るとにっこりと笑ったので、俺も思わず苦笑いしてしまった。
10時を過ぎた時からにわかに空が怪しくなってきた。
強い風が急速に雲を運んで俺たちの家の上空にパラパラと雨が降りだしたのだ。
俺は自分の部屋にいたのだが、雨に気づいてリビングに行くと母がいた。
「‥」
俺達は何となく黙り込んだまま庭を見ていた。
「ねぇ‥アキ」
「‥うん?」
「待ち合わせをしない?」
「待ち合わせ?」
「‥11時55分にまたここで。‥どう?」
「‥いいよ。」

静かな俺の部屋に滝のような雨音が響いてきた。
時計はまだ11時40分だったが待ち切れずに俺は部屋を出てリビングに行った。
母はリビングの電気も点けずにソファに腰かけていた。
「早かったのね。もう来たの?」
「うん‥何かね」
それからかすかな明かりが入ってくるリビングで黙ったまま雨音を聞いていた。


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