恋人に捧げる舞子の物語(煌星編)(その2)-1
やはり眠れなかった…。
夢の中にあらわれた無数の硝子の破片のようなものは、煌めく星だったのだろうか。その冷たい
光芒は、あなたが真っ逆さまに堕ちていく暗い地の果てに散らばっていた。
無為の時間を刻む時計の音だけが、闇の中に聞こえていた。あなたは汗を含んだ下着姿のまま、
その息苦しさから逃れるようにベッドから離れる。窓の外には、磨ぎ澄まされた冷気に包まれた
濃密な暗闇が拡がっていた。
…求めすぎる女は、自分の心を苛む以外に、たどり着くところはないのですよ…。
あの男が吐いた言葉…そして、彼はあなたの過去を知っていた。
燿華という名前…
昔、確かにあなたはあるSMクラブで夜の顔をもっていた。S嬢として男たちの肌に鞭を振るい、
勃起したペ○スに熱蝋を垂らし、彼らが歯を噛み鳴らしながら悶える姿を性の快感としていた。
でも、あなたは無意識のうちに男たちに何かを求め続けていたのだ。嗜虐という快楽を与えるこ
とではなく、自分の中の空洞を充たしてくれるものを…。
ずっとそうだったのかもしれない…あの海の灯りをひとりでじっと眺めていた少女の頃から…。
あなたは、自分が描いた像と寸分の違いも赦さないものを男に求めていた。それは限りのない無
限の優しさと男のもつ瑠璃色の性への憧れなのか…。
だから、あなたは裏切られる。与えられない茫漠とした寂寥感の中をさまよい歩き、その息苦し
さだけをいつの間にか快楽とするようになったのだ。
「…ボクは、女が恥辱の快感で悶えるのを楽しむわけじゃない。
柔な快感に浸る女の仮面を剥ぎ取って、本物の肉の悦びを与えますよ。陰部の襞が爛れるくらい
虐めてあげます…あなたの人格さえ否定して、奴隷以下の家畜の悦びを与えるのですよ。
M願望の女…自分の心を縛りつけるナルシストの女ほど、虐める楽しみがあるってものです。
ナルシストを鼻にかけた、決して男の隙を赦さない女…そんなあなたのような女ほど、ボクは
首輪をつけたくなる。本物のマゾの素質があるってものです。
這い蹲らせ、その口に無理矢理ペ○スを頬ばらせ、咽喉が噎せ返るくらい精液を飲ませてやるこ
とほど楽しいことはありませんね…。
奴隷ってわかりますか…
あなたがボクの捧げものになるってことですよ。あなたのすべてがボクのものになることです。
そのいい匂いのする艶やかな髪、ボクが奪った潤んだ唇、吸いあげた乳首、ペ○スを含んだ性器、
そしてその綺麗な脚先まで、すべてがボクに捧げられる。
あなたは、ボクから逃げることはできない。ボクが与える恥辱や痛みを、至福の快感として受け
いれることこそ、あなたの心と体が限りなく純粋で無垢なものに近づくのです。