由紀ちゃんと僕-3
『じゃあ帰ります』
『あ‥えっと いつも来るんですか?』
『‥はぁ、まぁ。来ますけれども』
彼女は手を差し出す
『会った記念に握手でもしておきましょうか。』
僕達は握手をした。彼女の手は柔らかく暖かかった。
では また、と彼女が言い ではまた、と僕が返す
夜、また由紀ちゃんから電話が来る
『ねえ、君、今悩んでたでしょ』
普段は 君、機嫌がよいと 智樹、と由紀ちゃんは僕の事を呼ぶ
『なんでわかったの?』
『勘、という奴かな』
『ふうん』
『君は、明日絶対いい事あるよ』
『嬉しいな』
『いつものお礼』
由紀ちゃんは言う。今日は泣いていない
『じゃあお休み』
『お休み』
泣いていない由紀ちゃんは久しぶりだ。
『もう、あたし大丈夫だから』
『‥うん』
お休みと言ったのに由紀ちゃんは続ける。
『大丈夫になったから』
『うん』
さようなら、と由紀ちゃんが言い またね、と返す
僕は幸せの予感を感じながら 眠りについた
fin