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緑原の雄姿
【その他 官能小説】

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緑原の雄姿-9

『はぁっ…はぁっ…』
呼吸が不規則になる。もう、自分を意のままには操れない。
『朋香…』
切ない声。愛おしい人を感じたい、感じさせたい。それだけが頭の中にあった。
『隆一…私も…』
とにかく、気持ち良くしたい。それだけで身を屈めた。脈打つ隆一の剛棒。反り返り、先端が天を仰いでいる。それに舌先を這わす。
『うぅっっっ!』
腰が引けたのが分かる。でも、それが感じてくれてる合図。先端から湧き出る樹液。それを感じ取って溢れる、私の淫水。
…ぴちゃ、じゅる…
『あぁぁぁ…』
切ない声。それが私の気持ちをさらに熱くさせる。目を閉じ、一心不乱に舌を動かす。
『朋香…もう…』
哀願する眼差しで私を見る。それを合図に口を離す私。欲しくてたまらなかった。
『もう…ダメ…』
その一言で理解してくれた。そそり立つ肉剣。もう、受け入れる為の準備は出来ていた。
『朋香…本当にイイんだな。』
野暮な事を聞いてくる。聞かなくても分からなきゃ。心の中で思った。でも、出る言葉は違う。
『おねがい…』
隆一の全てが濃縮された剛棒。それの侵入を簡単に、そして待ち望んでいたかの様に許した。
…ズブブブッッ!
『あはぁぁぁんっ!!』
柔らかく、そして熱さを纏った肉壁。隆一にしか適合しない。そう断言出来るほどの挿入感。
余韻に浸る二人。虚ろな目に映る顔。
『りゅう…いち…私を…』
『ああ…』
私を見つめ、そして動き出した。
…じゅっじゅっじゅっじゅっ…
規則正しい粘着音が耳に入る。それが私の興奮に拍車をかける。
『んっんっんっ!!』
声を出せないシュチュエーションの中、塞いだ唇から漏れる甘美な吐息。何でここまで感じてしまっているのか分からない。だが、隆一が私を解放してくれている事実。それだけは理解出来ていた。
『とも…か…俺…』
余韻を引き付いだまま私に導かれた肉塊。限界が間近に迫っているのだろう。
『イイ…よ…あぁぁぁっっっ!!』
急に私の中をえぐる速度が上がる。そして、さっき以上に響く粘着音。もう限界だった。
『ともかっ!あぁぁぁっっっ!!』
『隆一っっ!』
…ドクドクドクッッ!
当たる。何かが勢い良く私の奥の奥に広がるのが分かった。それと同時に荒い息が聞こえた。
意識はハッキリしている。しかし、それ以外は自由にならない。まるで、底無し沼に沈んでいく感じだった。
『りゅう…いち…』
微かだが、必死になって絞り出した声。それに対しての返事。私の頭を優しく撫でてくれた。
私は再び、隆一に唇を近付けた。そして、それに応えてくれた。
繋がったままの口づけ。もう、何の不安も感じなかった。いつでも側にいてくれる人。こんなに安らぐのか、そう思いながら隆一を抱き締めた。
それに応えるかの様に、下半身に感じる熱。一度、絶頂に達したはずの肉剣には、堅さが残ったままだった。
『朋香…収まりつかないみたいだよ。』
照れた様な表情で私を見る。あの隆一が、こんな可愛い顔をするなんて。
『イイよ…遠慮しないで…』
その言葉を聞いて、再び腰が動きだした。
…じゅっ、ぐちゃっ、ぬちゅっ
『あっっ…やぁぁぁんっっ!』
さっきとは違い、荒々しい動き。昇り詰めた直後だった為か、異常なまでに敏感になっていた私の肉壺。お互いの欲望の秘液により、スムーズに出入りしている。
『すげっ…』
感嘆の声が隆一から漏れる。人間、最も単純な言葉が出る時こそ、最高の感覚に捉われている場合が多い。今がまさにそれなのだろう。
事実、私もそうだった。全身で隆一を感じたい。二人で気持ち良くなりたい。その意識が、私の腰を躍動させる。
隆一に合わせて動く。それが当たり前の事。そうしか思えなかった。
『りゅう…いちぃ…あぁぁぁんっっっ!!』
…ぐちゅぐちゅぐちゅ
一定のリズムを刻む水温に、感度が高まる。私の快楽のメーターは振り切る寸前だった。
『とも…か…また…』
哀願する声。隆一を強く抱き締めた。それが私からの答え。それ以上は何も要らなかった。
『隆一っ!一緒にぃっっ!!』
『朋香っ!イクっっっ!!』
…ドクッ!ブピュッ!ゴププッ!!
…ヒクヒクヒクッ!
二度目の頂点。お互い同時に到達し、開放された。二人の呼吸音。それが室内に静かに響く。
『朋香…おかげで物好きの仲間入りだよ。』
皮肉っぽく話す隆一。でも、今の私にはそれすらも愛おしい。
『隆一…』
ウマい言葉が思いつかない。だけど今はそれでイイ。それ以上でもそれ以下でもない。
やすらぎ。それを手に入れた私の心は満たされていた。全てを隆一に委ねられる。今回の件での一番の収穫。私はそう実感した…


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