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【気まぐれ彼女と気弱な僕と】
【調教 官能小説】

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【気まぐれ彼女と気弱な僕と】-9

『昨日、声掛けといて良かった。こんな美味しいカレー初めて食べた』

『それは良かった』

正直、昨日の事。正確にゆうなれば昨日から今日の明け方にかけての出来事は早い事忘れたかった

『料理得意なんだね』

『‥‥まぁ』

ぎこちなく笑う。テーブルにはカレーとサラダが並べてあった。よせばいいのに、気合いが入って人参とかジャガイモを星とか花形にくりぬいて飾りつけまでしてしまった。うずらのゆで卵がヒヨコになっている芸の細かさ

他に特技といった特技はない。サッカーもバスケも昔から下手で、機械類も疎い為パソコンすらいじれない。むしろ、俺は【料理しか】まともにできないのだ。

料理と掃除が得意です‥なんて女の子みたいな事恥ずかしくて誰にも言ってはいないんだけれども

『カレーしか作れないけどさ』というフォローを入れた方がいいかと迷うが小細工しすぎて言いずらくなったなぁ。と悩む

『器用だね。このヒヨコとか可愛い』

比奈子の褐色の丸い目がキラキラとして動く度に顔が火照る

『‥うん』

ひたすら冷静を装うしかない

『あ、ハトも居るんだ、これ』

『ちが‥。あの、ニワトリ』

(‥あぁ、とりあえずそんな説明必要ないよ、)

『そっか。トサカあるね、レストランみたい』

『‥‥あー本当恥ずかしいから早く食べて!』

いたたまれなかった。人にどんなに誉められようとも本人がコンプレックスに感じていれば、それはコンプレックスなわけで。

でも趣味だからやめる事もできず独学で続けているうちにこんな風になっていた

今日は適当にすれば良かったのだが俺は昔っから手を抜く方法というものが解らないでいる

『解った、次はオムライスとハンバーグとチキンナゲットにしよっかな。』

『‥作れないよ?』

(‥ウソです、全然作れます)

『是非、でしょ?‥ほら、悠二』

キスできそうな距離で見つめた彼女の形の良い唇がはじめて俺の名前を呼んだ

顔を両方向から抑え強制的に目線を合わさせられる。急激に体温が上昇して熱い

(‥わかった。言う。言うから、そんなに見ないで)

『‥‥‥‥‥是非。‥‥喜んで』

見つめられる事に耐えきれずいつもの口癖を発音すると、そのまま比奈子の顔が近づきキスされた

『‥へ?ふ、ふぇ??』

『ありがと』

ファーストキスはカレー味だった。

【時間が止まればいいのに】とか乙女な事を思ってしまった


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