揺れる想い-3
「佑介っ…ちょ、ちょっと待ってよ!」
私は話を本題に戻す為に、佑介の巻き付けた腕をパンパンッと軽くたたいてから、佑介の腕をやんわりとほどいた。
『ん?』
「ねぇねぇ…人が来ちゃうから!―――それに留学の話終わってないでしょ?!」
私の首筋に鼻先をうずめていた佑介は、残念そうに小さく息を吐くと、ゆっくりと顔を上げた。
『あぁ…由里子と今ここでしたい』
「ばっ…バカ!何言ってんのよ!!」
『そんなに怒るなよ…俺、由里子とこうしてるとついね…体が反応しちゃうっていうか…くっつきたくなっちゃうんだよ…』
佑介は私との甘い戯れに、まだ諦めがつかない様子で、私の頬をそっと撫でた。
「誰が見てるか分からないんだから、学校ではダメ…って、いつも言ってるでしょ!」
私が軽く睨むと、佑介はイタズラを見つかった時の子供のような、気まずそうな顔をした。
そして一瞬照れて笑うと、気を取り直したように一度伸びをして、さっきの話に戻っていった―――
『それでね、俺は俺で経営の方しっかり学んでさ、将来親父と兄貴の力になりたい…って思い始めてるわけ』
「え―――すごいじゃない!佑介そんなこと考えてたの?」
『まぁね』
佑介は誇らしげに胸を張ると、キラキラ光る瞳で私を見た。