重なり合う2人-2
由里子っ!
しっかりしなきゃ!!
私…佑介の想いに応えたいだけなの?
だったらそれはただの同情で、愛情とは呼べないもの…
『少なくとも俺は、由里子が流されやすいとは思ってないよ。正直に言っちゃうけど、由里子が俺に体を許してくれなくたって、由里子に対する俺の気持ちは、この先も変わらないと思うし…』
「ならどうして?佑介はキスから先を…私の体を求めるの?」
『どうしてか?って聞かれたら、それはスキだから…としか言えない。スキな人に触れたい…その人をもっと知りたい…って思う気持ちは、自然なことでしょ?』
「うん…」
スキな人…
真っ先に浮かんだ、愛しいあの人の顔が、私を見つめる佑介の顔とダブっていく。
『俺、さっき由里子がイヤがるならもう終わりだ…みたいな言い方しちゃったけど、あれは俺の本心じゃない』
「え…どういうこと?」
『あの時、由里子が俺を拒んだとしても、俺由里子を諦めるつもりなんてなかったから…』
「佑介っ、それって私を試したってことじゃない!!」
私はやっぱり、佑介の言葉に流されていたのかも知れない。
あの時、佑介が私の元から去る姿を想像したら、怖くてたまらなかった。
佑介は、今の私にとって、唯一の心の支えだったから…
佑介のあの言葉に惑わされ、身を任せようとしていた私。