究極の選択-4
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『なぁ由里子?俺も一応男だからね。由里子とこうして2人きりでいたら、Hなことだって考えちゃったりするわけよ!ましてや今日はおふくろもいないし…』
「―――は?ヤ…ヤダッ、ゆ…佑介ったら、な…何言ってんの?!」
いつもと違う佑介の態度に私は激しく動揺してしまう。
『例えば今だってね―――』
その瞬間―――私はうしろから、佑介の腕の中に包み込まれていた!
え…佑介?うそでしょ?
佑介の長い腕が私の前で組まれ、背中全体に佑介のぬくもりを感じる。
「ちょ…ちょっと冗談やめて…佑介離してよっ!」
私はとっさに佑介の腕からすり抜けようとした。
でも佑介の腕は私を捕えて逃がさない。
『由里子、俺が離さない…って言ったらどーする?』
「え?…」
背中にいる佑介の表情は見えなかったけれど、その声の感じがいつになく真剣で、その先の私の言葉を詰まらせた。
『由里子…俺もう由里子と友達でいるの限界だわっ』
「でも、こんなのって…」
『俺とこう言う関係になるのはイヤってこと?佐々とじゃなきゃダメってこと?』
佑介の決断を迫るような言い方に、私は今まで経験にない胸のざわつきを覚えた。