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あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―
【教師 官能小説】

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みなみの反乱-2

テーブルの上には、薬の錠剤が入っていたと思われる銀色の空のシートが7〜8枚も散らばっていた。



見覚えのない薬だったが、おそらく睡眠薬か何かの類なのだろう。



『お前…これを一気に飲んだのかよっ』



そう言ってみなみの顔をまじまじと見た俺は、口元が吐しゃ物のようなもので汚れていることに気が付いた。



近くにあったティッシュの箱をたぐり寄せ、みなみの口元の汚れを拭き取ると薬臭い匂いが鼻を付いた。



みなみすまない…
お前をこんな目に遭わせたのは俺のせいだな…



段々とこの場の状況が掴めてくると、みなみに自殺する程のショックを与えてしまった自分に責任を感じ始め、俺の体はブルブルと震えた。



みなみ…命だけは助かって欲しい!!



祈るような気持ちで俺はみなみを掻き抱き救急車の到着を待った。



みなみ…どうか死なないでくれ!!!



    ♯♯♯



救急の入り口から病院内に入ったみなみは、出迎えた数人の病院スタッフの手によって救命ブースへと運ばれて行った。



『付き添いの方はこちらでお待ちくださいね』



俺の母親の年令程の体格のいい看護士が、比較的静かな夜間救急の待合室まで、俺の腕を取り案内してくれた。



「あなた大丈夫?!しっかりしなさいよ!」



俺は看護士に腕を取られるほど、そんなにひどい顔をしているのだろうか?



「ここならさほど騒がしくないからね。いい?ここにいるのよ!処置が終わったら呼びにくるから、ここで落ち着いて待っていなさいね…」



『………はい』



俺はそう返事をするのがやっとだった―――



その年配の看護士は、ソファーに腰掛けた俺の肩先にそっと手を置き微笑むと、それが合図だったかのようにさびすを返した。


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