「瓦礫のジェネレーション」-3
かおりには、もうからかいの言葉もほとんど耳に入らなくなっていた。周りにかすみがかかったような、遠くの出来ごとのように感じる。健志の指から与えられる今までに味わったことのない感覚に怯えながらも、身体の奥が熱くなるのを感じていた。
健志の乳首への執拗な愛撫は、確実にかおりの性感を高ぶらせていった。
(いや、なんなの、わたし、へんになっちゃう、声がでちゃう。拓也さんが見てるのに……)
わずかにのこった理性で、かおりは唇を噛み締め目を固く閉じていた。しかしその抵抗も時間の問題。健志はかおりの首を曲げさせて唇を唇でふさぐと、強引に舌をこじ入れていった。
「がまんしないで、声だせよ。いい声で哭いてくれないと面白くない」
唇が離れた健志にそう囁かれて、かおりはついに落ちた。
「ああ、いや」
という声は、言葉こそ最初と同じだが、甘えるような口調で、本気でいやがっているのではないことが明白だった。甘ったるい声が、切羽詰まったように切れ切れにあがる。
「あっ、あっ、あっ、い…」
かおりは、生まれて始めての絶頂をもう少しで迎えようとしていた。
「このままイカせちゃってもいいか?美咲さん」
健志が美咲に問い掛ける。美咲の答えは、
「やっぱりお願いしてもらわなきゃね。どうやらバージンみたいだけど」
だった。健志は苦笑して
「ホントに美咲さんって残酷だな」
と呟くと、愛撫を止める。
かおりは快感の渦の中に中途半端に取り残されて戸惑い、腰をもじもじと振っていた。目を閉じ口を少し開いて、切なそうな息を漏らす。
「気持ちよくなってるんだろ」
「ち、ちがいます」
「認めたら、続けてやるよ」
「い、いや」
「『お願いします、イカせてください』って言えよ」
そう言うと、うなだれて顔を左右に振るかおりに対し、健志はまた乳首への愛撫を再開する。少し落ち着いていた性感は再び昇り始め、すぐにまたかおりを絶頂寸前へと追い詰める。そこでまた健志は手を止める。さらにもう一度。かおりはぼんやりとした頭で思う。
(いや、こんなの。これ以上続いたら気がどうかなってしまう。これが快感なの?イクっていうことなの?わたし、どうかなっちゃう。おねがい、誰かなんとかして)
拓也に見られていることは既にかおりの頭からは消えていた。
「どうだ?やめてもいいのか?正直に言えよ」
健志の問いに、かおりはうつむいて、消え入りそうな小さな声で
「お願い、許して、やめないで……」
とつぶやく。健志から
「『イカせてください』、だろ?」
と促されると真っ赤な顔で
「イカせて、ください」
と言った。健志に
「もっと大きな声で」
と促されると、
「イカせてください、お願い、もうだめ、どうかなっちゃう」
堰を切ったように、かおりは快感を求める言葉を口にし、身体を完全に健志に預ける。それを見ていた美咲が、
「いいわよ、たっぷりイカせてあげて」
と声をかけると、健志はかおりのスカートを脱がせ、パンストとパンティを脚から抜き取る。ひざを立ててギャラリーに向けて脚を開かせると、その奥の処女の花びらは、すでにたっぷりと露を含んで濡れていた。
「ひゃー、きれいなバージン。でもこんなに濡らしちゃって。クリだって立ってるわよ。みかけによらず淫乱なのね」
葉子のからかいの言葉も、かおりの耳にはもう届いていなかった。かおりの頭を占めるのは、早くイカせてほしい、この中途半端な状態から早く逃れたい、ただそれだけだった。