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「瓦礫のジェネレーション」
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「瓦礫のジェネレーション」-25

駅で待ち合わせた後、湖まで行ってボートに乗り、それからすこし遠回りをして街に戻り、ファミレスで食事を取った。
「今日は何時までに帰ればいいの?」
「今日は母さん準夜勤だから、12時までに帰れば大丈夫」
「じゃ、ここ出たらもうちょっと、海の方でも走ろうか?」
「……うん」
いよいよ、と思った。海添いの道をしばらく行くと、根来崎という岬があって、そこにホテルがある。おそらくそこで、と考えているのだろう。
それからはふたりとも無口になり、しばらくたってやっと、拓也が
「行こうか」
と声をかけた。拓也にしてみてもはやる気持ちを抑えてのことだったのだろう。駐車場に停めた車に乗り込み、ギアを確認せずにキーを捻る。いきなり車が動きだし隣の車をガリガリとこすった。

翌朝。

昨晩からけさにかけての出来事が本当のことなのか、かおりはまだ信じられずにいた。途中何度かウトウトしかけたものの、絶えず複数の男に弄ばれ、何度となく犯され、そして数え切れないほど昇りつめさせられた。異様な雰囲気に飲まれ、男たちのいいなりになっていた。体のあちこちが筋肉痛でヒリヒリし、声が枯れている。気がつくと拓也の姿はすでに無く、そこにいたのは最初にかおりを弄んだ健志と呼ばれていた男ひとりだった。
「シャワーを浴びるといい。ちゃんと家まで送っていってやるから」
健志はそう言うと、キッチンに向かった。
家!家に連絡することをすっかり忘れていた。無断外泊したことを母にどう説明すればよいのか……(くよくよ考えても仕方ないわ。帰らないわけにもいかないんだし)
かおりは深呼吸をして気持ちを落ち着けると、バスルームへ向かった。

シャワーを浴びたかおりが部屋に戻ると、健志が両手にマグカップを持ってきた。中にはなみなみとカフェオレが入っている。
「ほら、飲めよ」
健志は片方をかおりに差し出すと、もう片方のカップからひとくち飲んだ。カップを受け取ったかおりは、突然空腹と喉の渇きを思い出し、両手でカップを包み込むように持つとゆっくりと口をつけた。
「……おいしい」
思わず言葉が出た。その時、健志の顔にわずかにはにかんだような笑みが浮かんだことにかおりが気付くはずもなかった。

「そういえば、家には葉子が連絡しておいたから。高校の先輩って言ってね」
運転席の健志の言葉に、かおりはぎょっとした。
「悪いとは思ったけど、捜索願とかおおごとになってもマズいから、生徒手帳、見せてもらった。高校生なんだな、お前」
お前と呼ばれて一瞬ムッとしたものの、すぐに自分の身に起きたことを思い出した。
---私は、この男たちに弄ばれたんだ。いやらしいことをされて気持ちよくなってしまい、最後には我慢できなくなって、自分から浅ましく「イカせて」ってせがんだんだ。その後も、無理矢理犯されているのに何度も気持ちよくなって……屈辱と羞恥が蘇る。そして突然気が付いた。
「拓也さんは?」
「ああ、あいつなら先に帰ったよ」
(なぜ?どうして?私を置いて、見捨てて帰っちゃったの?そういえば拓也さんと……でもその後がよく思い出せない)
かおりが考え込んでいるうちに、車はかおりの家の近くまで来た。
「男に送られて朝帰りじゃまずいだろう。このへんで降りて歩いた方がいい。じゃあな」
健志に言われて、かおりは車を降りて自宅に戻った。


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