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「瓦礫のジェネレーション」
【その他 官能小説】

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「瓦礫のジェネレーション」-24

「美咲……」
陸は美咲の胸の頂きにそっと手をふれる。美咲の体がビクンと震える。その反応を確かめるように、柔らかく愛撫する。美咲の口からは甘い吐息が漏れはじめ、やがてそこにか細い声が混じった。
そのまま体をずらして、熱く潤った花弁に接吻する。
「あ……、だめ……」
美咲は体をよじって陸の愛撫を避けようとする。刺激が強すぎるのだろう。
「大丈夫だから、俺にまかせてくれ」
陸は美咲の腰を抱え込むようにすると、花芽を舌の先でやわらかく、じらすように刺激する。
「あ、くぅ……ん」
「そうだよ。感じるだろ?美咲、もっともっと俺を感じてくれ……」
陸は一度体を起こしてから美咲におおいかぶさり、猛り立ったものをゆっくりと沈めていく。
「あ……あぁ、り…く……」
「美咲、俺の……がわかるか?」
「うん……あ、いや……」
美咲は、陸で一杯まで満たされていた。陸が動くたびに、自分の中から大きなうねりが溢れ出す。まるで下半身がドロドロにとけて、陸の体と混じりあってしまったようだ。息が苦しい。脳が酸欠になってしまったようだ。何かに追い詰められるようにとじこめられた感覚が一点に凝縮する。
「陸……わたし、あぁっ、もう、もう……来て、陸……」
そして全ての感覚が一気に解放された。


「美咲?」
陸に声をかけられるまで美咲は放心状態だった。全然違う。今の陸とのセックスにくらべれば、昼間のあれなどまやかしみたいなものだ。
「ん……うまく言えないんだけど……なんだか違う世界にいるみたい」
「悪くないモンだろ?愛のあるセックスっていうのもさ」
おどけた調子で言う陸に、
「やだ、恥ずかしい……」
美咲は顔を赤らめた。恥ずかしがるようなタマかよ、と苦笑しながら、陸は美咲の額に軽くキスをした。
「あと、説教が残ってたな」
美咲の頭を胸に抱き寄せながら、陸が話しはじめた。
「無闇に人を挑発するのは慎んだ方がいい。今回は相手も特別悪質だったけど、そうでなくとも余計な敵は作らないにこしたことはないよ、美咲」
「うん。懲りた。当分は大人しくしておく」
「それにしてもその市丸って男、かなり危険だな。東京ならともかくこんな街でデートレイプ用のドラッグが簡単に手に入るっていうのはちょっと気になる。兄貴の力を借りることになるかもしれない」
「……私はどうすれば?」
「大人しくしてるって今言ったばかりだろ?マジで危ないぞ、今度は」
「わかった。ごめん、私のせいで」
珍しく素直な態度の美咲を、陸は抱き締めた。
「さ、もう一度しようか」

--intermezzo--


その日。

加納かおりにとってはひさびさのデートだった。高校3年のかおりは、1年先輩で元生徒会長の川上拓也とつきあい始めて1年になる。近県の私立大学に進学した拓也とはこれまでずっとプラトニックな関係を続けてきたが、この日はまだ免許をとったばかりの拓也が父親の車を借りてのドライブ。おそらく今日はふたりは結ばれることになるのだろう、そう予感していたかおりだった。
かおりの家は裕福ではない。幼くして父をなくしたかおりは、看護師をしている母の女手ひとつで育てられた。成績が優秀だったこともあって県立の進学校に進んだのだが、大学に進むとなれば、県内の国立S大学かS県立大学しか選択肢がなかった。
(本当は拓也さんと同じ大学に行きたいのに……)
大学に行ってからの拓也はサークル活動など大学生活を満喫しているらしく、高校時代にくらべると見違えるほど格好よくなり、たまに会う度、高校生であるかおりは自分の子供っぽさに気後れしてしまうのだった。
(拓也さんの大学にもきっとキレイな人がたくさんいるんだろうな……)
かおりの心は不安でいっぱいだった。嫌われるのが怖い。もし求められたら迷わず許そう、そういう決意を秘めてのデートだった。


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