投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

……タイッ!?
【学園物 官能小説】

……タイッ!?の最初へ ……タイッ!? 149 ……タイッ!? 151 ……タイッ!?の最後へ

……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-58

「今日逢えたことに運命感じるって変かな? 私、あんまり寂しすぎておかしくなっ
たのかな? ねえ、どうかな?」

 後頭部に触れた手は弱く、それでも紀夫が起き上がろうとすることを拒む。そして
彼自身、彼女と目を合わせるのが怖かった。
 きっと傷つける。自分は別の誰かを想い、誓い、叫んでいた。

 だから……。

「ねえ、今はだけは騙してよ……。今日だけ、君は私の恋人……、好きな人。大切な
……初めての人……」

**

「ん、あ、あぁ……、あっ! 来てる、紀夫のが、私の中……」
「久恵、久恵のなか、きつい……」

 安物のタオルケットに包まる男女。女子は男子にあお向けに組み伏せられ、抵抗し
ているのか、両足で男の腰周りにからみつく。
 枕元には敗れたビニールの包みがあり、セイフティーセックスと印字されている。

「ん、あ、すご……痛……っ! でも……ん、あ! 紀夫の……感じちゃう……」

 破瓜の痛みに唇を噛む久恵だが、紀夫はそれに構わず腰を前後させていた。

「はぁはぁ、先輩、先輩……俺……もっと、もっと……」

 グチュポ、ブチュッ……クチャ……ヌチュ……。
 鮮血と愛液、若干の汗の混じる結合部から卑猥な音が漏れる。

「先輩の、すごく、俺の締め付けるから……だから……」
「いいの? そんなに気持ちいいの? 私の中、好き?」
「はい……先輩の中、気持ちいいです……」

 本当は……。

「ねえ、私は? 私のことは?」

 久恵の前髪が紀夫の胸元に触れ、一部張り付いてしまう。

「私、紀夫が好き。だって、一緒にいてくれたんだもん。追いかけてくれたんだも
ん。だから好き、好きなの!」

 胸に溢れる熱い気持ち。直接ぶつけられる感情に疑うところなどない。

「人を好きになったの初めて……だって、皆私のこと、心配してくれなくて、それな
のに、それだけだけど……君が好きなの……」
「先輩……」

 泣きじゃくるように頭を振る彼女。それをあやすように頭を撫でると腰が萎えてし
まう。

「いや! やめないで……。私、今すごい幸せなの。初めてを好きな人に捧げられ
て、しかも気持ちよくなってもらえるなんて、そんなの幸せじゃない……」

 ベッドのスプリングを利用して跳ねるように腰を突き出す久恵。その健気な愛の行
為に疼く部分がある。

「先輩……そんなに……」

 尿道を濡らすジュンとした快楽。間違いなく久恵からもたらされたそれ。
 ちょっとした行き違いで、少しの勇気と勘違いが今このときを演出している。
 そんな奇跡に近い逢瀬なのに、身体は喜んでいるのに、それでも……今は自分を騙
してでも彼女と一緒に……。


……タイッ!?の最初へ ……タイッ!? 149 ……タイッ!? 151 ……タイッ!?の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前