……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-56
「いやですか?」
肩を抱く力を強め、より息苦しくさせる。
「だから、そう言ったじゃない」
そういいつつも紀夫の肩に手を添える久恵。
「本当に嫌?」
耳元で囁くように一言。
「君……」
抗えない気持ちをひねり出す一言。
「嫌?」
耳朶に触れながら、少しだけイタズラもする。
「ずるい」
秘裂を布の上から触られたからか、語尾は震え、掠れ、上がり調子。
「嫌?」
同じことを繰り返し、同じところを繰り返す。
「分かってるくせに」
降参とばかりにため息を一つ。
「嫌ですか?」
後に手を着き、身体はそのまま彼に投げ出す格好を取る。
「君が……」
足を開けば、彼の手がそこへ行き、薄いピンクの可愛らしい水玉模様のショーツが
脱が
され、そして……、
「君が?」
指が止まる。
「シテクレルなら……いいよ」
視線を紀夫に向けるも、数秒と持たない。どこか物悲しく、セックスの快楽より
も、
「先輩……は、寂しいの?」
愛に飢えている。そんな気がして、
「うん」
それを確信できた……。
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汗ばんだ身体に毛羽立ったシーツのホツレが張り付き、酸味と粘り気のある汗がし
みを作る。
エアコンの調子が悪いのか、締め切った部屋の温度は二人の熱気でぐんぐん上昇す
る。
「はぁ、熱いよ……なんか、すごく……」
けれど久恵が感じているのは体温と別の熱。
水玉ショーツに隠れた濃い芝生に隠れて現れるのは意外にも男を知らないらしい綺
麗な割れ目。